良い介護の研究家

福祉用語について

介護における「自立」とは?

「自立」という言葉は、日常生活で頻繁に耳にする言葉ですが、その意味するところは非常に幅広く、解釈も人それぞれと言えるでしょう。特に、介護の現場においては、「自立」は単に「一人でできること」を意味するのではなく、その人らしく、可能な限り自分の力で生活を営むことを目指すという、より深い意味合いを持っています。
福祉用語について

介護で必須!「近位」ってどんな意味?

介護の現場では、体の部位を正確に伝えることが非常に重要になります。たとえば、麻痺のある方の左腕に症状がある場合、「左腕全体」なのか、「肘から先」なのか、「肩に近い部分」なのか、など、より具体的に伝える必要があります。 このような場合に役立つのが、「近位」や「遠位」といった用語です。これらの用語を使うことで、体のどこを指しているのかを明確に伝えることができます。 「近位」とは、体の付け根に近い部分のことを指します。例えば、「腕の近位」というと、肩に近い上腕部分を指します。逆に、「遠位」は体の付け根から遠い部分を指し、「腕の遠位」は、肩から遠い手首部分を指します。 これらの用語は、医療現場でも使われていますが、介護の現場でも、利用者の方の状態を正しく把握し、適切なケアを提供するために欠かせないものです。ぜひ、この機会に「近位」「遠位」といった用語を覚えて、日々の介護に役立てていきましょう。
福祉用語について

意外と知らない?食前薬の効果と注意点

「食前薬」とは、食事の約30分前に服用する薬のことです。食後に比べて胃の中が空っぽに近い状態なので、薬が効率よく吸収され、効果を発揮しやすくなるというメリットがあります。
高齢者の病気について

介護施設におけるウイルス感染症対策

ウイルス感染症とは、ウイルスが体内に侵入することで引き起こされる病気のことです。ウイルスは細菌よりも小さく、自分で増殖することができません。そのため、他の生物の細胞に寄生し、その細胞の中で増殖することで感染を広げていきます。 ウイルス感染症には、風邪やインフルエンザ、ノロウイルス感染症など、様々な種類があります。症状も、発熱、咳、鼻水、下痢、嘔吐など、ウイルスや感染部位によって異なります。 高齢者は免疫力が低下していることが多いため、ウイルス感染症にかかりやすく、重症化しやすいという特徴があります。そのため、介護施設では、ウイルス感染症の予防と蔓延防止対策を徹底することが非常に重要です。
高齢者の食事について

介護の現場で役立つ!食品交換表入門

食品交換表とは、食品を栄養素の量で分類し、似たもの同士をグループにまとめた表のことです。それぞれの食品に含まれるエネルギー量(カロリー)、たんぱく質、脂質、炭水化物の量などが、一覧で分かりやすく表示されています。 この表を用いることで、栄養バランスの取れた食事を、簡単かつ効果的に献立に取り入れることができるため、特に糖尿病などの食事療法が必要な方にとって、大変便利なツールとなっています。また、介護の現場においても、利用者の健康状態に合わせた食事提供に役立てることができます。
介護サービスについて

難病でも安心の暮らし: 居宅生活支援事業を知ろう

難病と診断された時、将来への不安や生活への影響に戸惑う方は少なくありません。医療費の負担や、日常生活での困難、仕事や家事との両立など、様々な課題に直面することでしょう。 そんな時、心強い味方となるのが、「難病患者等居宅生活支援事業」です。これは、難病と闘う方々が住み慣れた地域で、安心して日常生活を送れるよう、様々なサービスを提供するものです。 具体的には、身体介護や家事援助といった日常生活のサポートから、医療機関への通院介助、福祉用具の貸与、相談支援など、多岐にわたるサービスを受けることができます。 これらのサービスを利用することで、身体的、精神的な負担を軽減し、より質の高い生活を送ることが可能となります。次の章では、具体的なサービス内容や利用方法について詳しく解説していきます。
福祉用語について

高齢社会とは?:現状と課題を解説

高齢社会とは、高齢者の割合が増加し、社会全体に大きな影響を与えるようになった社会のことを指します。一般的には、65歳以上の高齢者の割合が総人口の7%を超えた状態を高齢化社会、14%を超えた状態を高齢社会、21%を超えた状態を超高齢社会と定義しています。 日本は1970年に高齢化社会となり、1994年には高齢社会に突入しました。そして2007年には、世界に先駆けて超高齢社会へと突入しています。
高齢者の病気について

介護の現場で知る『視野狭窄』とその影響

- 介護の現場で知る『視野狭窄』とその影響 -# 視野狭窄とは?症状と原因を解説 視野狭窄とは、見ている範囲(視野)が狭くなる状態を指します。視界の中心部は見えていても、周囲が見えづらくなったり、全く見えなくなったりします。視野が狭くなる範囲や程度は人によって様々です。 視野狭窄は、緑内障、網膜剥離、脳梗塞など、様々な病気が原因で起こることがあります。症状としては、物にぶつかりやすくなる、転倒しやすくなる、人の顔が見えにくい、文字が読みにくいといったものがあります。 特に高齢者は、これらの病気を発症するリスクが高いため、視野狭窄に注意が必要です。介護の現場においても、利用者の安全を守るためには、視野狭窄の症状や原因について理解を深めておくことが重要です。
介護サービスについて

分かりやすく解説!地域密着型特定施設入居者生活介護とは?

地域密着型特定施設入居者生活介護って、名前を聞いただけではどんなサービスかちょっと分かりづらいですよね。 簡単に言うと、介護が必要になった高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を送れるように、施設で食事や入浴などの介護サービスを受けられるサービスです。 対象となるのは、原則として介護保険の認定で要介護3~5と判定された方です。施設では、食事や入浴、排泄などの身体介護はもちろん、レクリエーションやイベントなどを通して、心身ともにいきいきと過ごせるようにサポートしてもらえます。 地域密着型特定施設入居者生活介護の大きなメリットは、住み慣れた地域で、自分らしく生活できることです。 施設によっては、外出や外泊も可能なので、今まで通りの生活を維持しながら、必要な時に必要な介護サービスを受けられます。 また、施設の職員さんと顔なじみになれることで、安心感を得ながら生活できるのも魅力です。 地域密着型特定施設入居者生活介護は、介護が必要になった高齢者とその家族にとって、心強い選択肢となるでしょう。
高齢者の食事について

介護の現場で活かす栄養成分表示

栄養成分表示とは、食品に含まれる栄養素の量や比率を表示したものです。 消費者が食品を選ぶ際に、健康状態や栄養バランスを考慮できるように、エネルギー(kcal)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などの基本的な栄養成分量が記載されています。 さらに、商品によっては、食物繊維、ビタミン、ミネラルといった成分も表示されている場合があります。 この表示を参考にすれば、自分に必要な栄養素を効率的に摂取したり、逆に摂取を控えたい成分を把握したりすることができます。
高齢者の病気について

介護現場における黄疸の理解

黄疸とは、血液中のビリルビンという黄色い色素が増加し、皮膚や白目などが黄色く見える状態のことです。 ビリルビンは、古くなった赤血球が壊れる過程で肝臓で処理され、便や尿中に排泄されます。しかし、肝臓の機能が低下したり、胆道が閉塞したりすると、ビリルビンが体内に蓄積し、黄疸の症状が現れます。
介護サービスについて

家族介護を支える!家族介護支援事業を知ろう

家族介護支援事業とは、介護をしている家族を支えるために、市区町村が実施する様々なサービスのことです。介護保険サービスとは異なり、介護する家族の負担軽減や、心身の安定、社会生活の維持などを目的としています。 介護をしている方なら、誰でも利用を検討することができます。具体的なサービス内容や利用料金は、お住まいの市区町村によって異なりますので、まずは相談してみることが大切です。
高齢者の病気について

介護の現場における動悸への対応

動悸とは、心臓の鼓動を異常に強く感じる状態を指します。健康な人でも、激しい運動の後や緊張状態にある時などに経験することがあります。しかし、高齢者や持病を持つ方の場合は、動悸が深刻な病気のサインである可能性もあるため、注意が必要です。 介護の現場において、利用者が動悸を訴える場合、まずは落ち着いて様子を観察することが大切です。具体的には、いつから、どの程度の動悸を感じているのか、他に症状はないかなどを確認します。その際、呼吸困難や胸の痛み、顔面蒼白などを伴っている場合は、緊急性が高いと判断し、速やかに医療機関へ連絡する必要があります。 また、持病や服用中の薬によっては、動悸の症状が出やすい場合もあるため、事前に情報収集しておくことが重要です。日頃から利用者とのコミュニケーションを密にとり、健康状態や変化に気を配るように心がけましょう。
福祉用語について

介護の基本!体幹を理解しよう

「体幹を鍛えよう!」健康やダイエットに関する情報でよく耳にする言葉ですが、体幹とは一体体のどこを指すのでしょうか?体幹とは、腕と脚、そして頭を除いた胴体部分のことを指します。つまり、胸やお腹、背中、腰といった体の中心部が体幹と呼ばれます。この体幹は、姿勢を維持したり、体を動かしたりする上で非常に重要な役割を担っています。
在宅の介護について

安心生活の支えに!緊急通報システム解説

近年、高齢化社会の進展に伴い、一人暮らしの高齢者や病気を持つ方の安全確保が重要な課題となっています。こうした中、自宅にいながらにして、緊急時に迅速な対応を受けられる「緊急通報システム」が注目を集めています。 緊急通報システムとは、自宅に設置した専用の端末や、携帯電話を使って、緊急時に警備会社や家族などに通報できるシステムのことです。緊急事態が発生した場合、ボタンを押すだけで通報できるため、慌てて電話を探す必要がありません。また、最近のシステムでは、自動的にセンサーが作動して、転倒や意識不明を検知し、自動で通報する機能を備えているものもあります。
介護に関する制度について

知っておきたい!国民皆年金制度の基礎

国民皆年金制度とは、日本に住む20歳以上60歳未満の方全員が加入する公的年金制度です。老後、病気や怪我で収入が減ってしまった時などに、私たちが安心して暮らせるよう、国が生活を支えるための仕組みです。この制度によって、年齢を重ねても経済的に困ることなく、安心して生活を送るための支えとなります。
福祉用語について

介護現場の感染対策!ゾーニングとは?

介護施設において、ゾーニングとは、利用者の状態や感染リスクに応じて、空間を区切ったり、動線を分けたりすることを指します。例えば、感染症の疑いがある利用者とそうでない利用者の居住空間を分けたり、職員の移動エリアを制限したりすることで、施設内での感染拡大を防ぐことを目的としています。
高齢者の食事について

分かりやすい!食事バランスガイドで健康的な食生活

「食事バランスガイド」は、毎日の食事で何をどれだけ食べたら良いか、ひと目で分かるようにイラストで示したガイドラインです。コマのイラストをイメージしたデザインで、ご飯やパンなどの「主食」、肉や魚などの「主菜」、野菜などの「副菜」、牛乳・乳製品や果物などの「その他」の4つのグループに分けています。それぞれのグループを毎日食べることを意識することで、自然と栄養バランスの取れた食事を目指せます。毎日の食生活に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう。
介護サービスについて

知って得する!福祉用具貸与のススメ

「福祉用具貸与」って聞いたことありますか? 介護が必要になった時、暮らしを少しでも楽に、そして安全に過ごすために役立つのが福祉用具です。 杖や車椅子などを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。 入浴や食事を助けるもの、トイレを快適にするものなど、様々な種類があるんです。 この福祉用具貸与制度は、これらの用具をレンタルできるという、とても便利な制度なんです。
福祉用語について

介護の基礎知識: ADLとその重要性

「ADL」とは、「Activities of Daily Living」の略称で、日本語では「日常生活動作」と訳されます。これは、食事や入浴、トイレへの移動など、人が日常生活を送る上で基本となる動作を指します。ADLは、その人の自立した生活の度合いを測る重要な指標となり、介護の現場では、ADLの維持・向上を目指したケアが提供されます。
高齢者の健康のために

高齢者の転倒予防に!フットケアのススメ

加齢とともに、足裏の感覚が鈍くなったり、足の筋力が低下したりするなど、足の状態は変化しやすくなります。このような変化は、バランスを崩しやすく転倒のリスクを高めることにもつながります。そこで重要となるのが「フットケア」です。 フットケアとは、足の洗浄、保湿、爪切りなどを行い、足の健康を保つためのケアを指します。適切なフットケアを行うことで、足のトラブルを予防し、健康な状態を保つことができるのです。
福祉用語について

チームケアで実現する、高齢者の豊かな暮らし

高齢化社会がますます進展する中、高齢者が住み慣れた地域で、自分らしく、安心して暮らし続けるためには、医療・介護の専門職による包括的なサポートが欠かせません。しかし、従来の一対一の個別ケアだけでは、複雑化・多様化するニーズに対応しきれないケースも出てきています。 そこで注目されているのが「チームケア」です。チームケアとは、医師、看護師、介護士、薬剤師、リハビリテーション専門職、ケアマネジャー、社会福祉士など、多職種の専門家がそれぞれの専門知識や技術を持ち寄り、連携しながら高齢者を支える体制のことを指します。 チームで情報を共有し、共通の目標に向かって協働することで、より質の高い、切れ目のないサービス提供が可能になります。また、それぞれの専門性を活かすことで、単独では対応が難しい課題にも、より効果的に対応することができます。
高齢者の健康のために

介護とナトリウム:知っておきたいその働き

ナトリウムは、私たちの体にとって欠かせないミネラルのひとつです。主に塩化ナトリウムとして、普段の食事から摂取しています。 体内の水分バランスを調整したり、神経や筋肉の働きを助けるなど、重要な役割を担っています。
福祉用語について

老々介護:高齢者の支え合いと課題

日本の高齢化は深刻さを増しており、それに伴い老々介護の現状も大きな社会問題となっています。老々介護とは、高齢の配偶者や高齢の親が、身体的な衰えや病気などにより介護を必要とする状態になった場合に、年齢を重ねた高齢の配偶者や子供が介護を担うことを指します。 共働き世帯の増加や少子化の影響で、若い世代が介護の負担を担うことが難しくなっている現状も、老々介護増加の背景として挙げられます。高齢の介護者が、自身の加齢による体力低下や健康不安を抱えながら、介護を続けることは肉体的にも精神的にも大きな負担となります。 また、介護のために経済活動が制限されることで、経済的な困窮に陥るケースも見られます。老々介護は、介護者と被介護者の双方にとって、生活の質や健康状態に深刻な影響を与える可能性を孕んでいると言えるでしょう。