介護の現場で見られる「作話」とは？
介護について知りたい
先生、「作話」ってどういう意味ですか？ 介護の授業で出てきたのですが、よく分かりません。
介護の研究家
良い質問だね。「作話」は、認知症の方によく見られる症状の一つで、実際には経験していないことや事実とは違う話を、まるで本当にあったことのように話すことを指すんだ。例えば、昨日会ったこともない人に会ったと自信満々に話したりするんだよ。
介護について知りたい
あ！おばあちゃんがよく「昔、お姫様だったのよ」って言うんです。あれも作話ですか？
介護の研究家
そうだね、それも作話の一種かもしれないね。認知症の方にとっては、それが事実と異なっていたとしても、本人の頭の中では真実として認識されていることが多いんだ。だから、頭ごなしに否定するのではなく、まずはその人の話に耳を傾けることが大切だよ。
作話とは。
介護の現場で使われる「作話」とは、実際には経験していないことや、自分で作り上げた話を、あたかも本当にあったことのように話すことを指します。これは認知症の方に多く見られる症状です。記憶障害が起こった際に、本人が無意識のうちに、現実との整合性を取るために、失われた記憶を補うような物語を作り出すことがあるのです。このような場合、話は事実ではなく想像によるものですが、本人はそれを真実だと信じ込んでいます。
作話とは何か？
作話とは、実際にはなかったことを、事実のように話すことを指します。介護の現場では、認知症の症状として見られることが多く、本人は事実と信じ込んで話しているため、嘘とは異なります。
作話の背景にある心理
介護の現場では、利用者の方から事実とは異なる話や、あり得ない体験談を聞かされることがあります。一見すると嘘のように聞こえるこれらの話も、実は「作話」と呼ばれる、認知症の症状の一つである可能性があります。
作話には、周囲の人を困らせたり、自分を優位に見せようという意図は全くありません。むしろ、本人は事実と異なることを認識できないまま、話していることがほとんどです。これは、認知機能の低下によって、記憶が曖昧になったり、状況を正しく理解することが難しくなるために起こると考えられています。
作話の背景にある心理としては、以下のようなものが挙げられます。
* -記憶の埋め合わせ- 加齢や認知症の影響で記憶の一部が欠落してしまうと、その空白を埋め合わせるために、無意識に話を作ってしまうことがあります。
* -不安や焦燥感の解消- 周囲の状況や人間関係を理解することが困難になると、不安や焦燥感を覚えることがあります。作話によって、そのような不安な感情を紛らわそうとしているとも考えられます。
* -自己防衛- 過去の失敗やトラウマを隠そうとしたり、自分の尊厳を保とうとするために、作話をしてしまうことがあります。
作話をする人は、自分を守るために無意識に作り出した世界に生きているとも言えます。そのため、頭ごなしに否定したり、嘘だと責めることは避け、本人の気持ちに寄り添うことが大切です。
作話への対処法
認知症の方に見られる行動の一つに「作話」があります。作話とは、実際にはなかったことを話したり、事実とは異なる内容を話したりすることを指します。介護の現場では、利用者の方から思いもよらない話や身に覚えのないことを聞かされ、戸惑うこともあるかもしれません。
重要なのは、作話を「嘘」だと決めつけたり、頭ごなしに否定したりしないことです。 作話は認知機能の低下によって起こるものであり、本人は事実と異なることを話しているという認識はほとんどありません。むしろ、本人は話している内容が真実だと信じていることがほとんどです。
作話に対しては、まずは落ち着いて耳を傾け、本人の気持ちを理解しようと努めましょう。 「そうですか」「大変でしたね」など、共感の言葉を伝えることが大切です。否定や訂正は、本人のプライドを傷つけたり、混乱させたりする可能性があります。
もしも、作話によって周囲に迷惑がかかったり、本人が危険な行動をとったりする可能性がある場合は、さりげなく話題を転換したり、別の活動に誘ったりするなど、状況に応じて適切な対応を心がけましょう。焦らず、柔軟に対応していくことが大切です。
介護者としての心構え
介護の現場では、利用者の方の「作話」に戸惑う場面も多いかもしれません。作話とは、実際にはなかったことを、あたかも本当にあったかのように話すことです。認知症の症状の一つとして現れることがありますが、決して嘘をついているわけではなく、本人の記憶や認識に基づいた行動であることを理解することが大切です。
重要なのは、作話に過剰に反応したり、否定したりしないことです。頭ごなしに否定してしまうと、利用者の方を混乱させたり、不安にさせてしまう可能性があります。まずは落ち着いて、「そうだったんですね」「それは大変でしたね」などと相槌を打ちながら、利用者の方の気持ちに寄り添うようにしましょう。
そして、作話の内容よりも、その背後にある気持ちに目を向けることが大切です。寂しさや不安、ストレスなどを抱えている可能性もありますので、じっくりと話を聞いてあげることが重要です。もし、作話によって介護が困難になる場合は、専門職に相談してみるのも良いでしょう。
まとめ｜作話と寄り添うケアを
介護の現場では、利用者の方から事実とは異なることを話される場面に遭遇することがあります。 これは「作話」と呼ばれることがあり、認知症の症状の一つとして現れることも少なくありません。
作話は、本人が意図的に嘘をついているわけではなく、脳の機能の変化によって引き起こされる症状です。そのため、頭から否定したり、叱責したりする対応は逆効果になる可能性があります。
重要なのは、作話を通して利用者の方が何を伝えようとしているのか、その気持ちに寄り添うことです。安心感を与え、落ち着いて過ごせるように、まずは耳を傾け、共感する姿勢を示しましょう。
状況に応じて、別の話題に誘導したり、事実を伝えることも必要ですが、頭ごなしに否定することは避け、その方の気持ちや感情を尊重することが大切です。