知って備える レビー小体病
介護について知りたい
先生、レビー小体病ってどんな病気ですか?アルツハイマー病と何か違うんですか?
介護の研究家
良い質問ですね。レビー小体病はアルツハイマー病に次いで多い認知症の一つです。どちらも認知症という点では同じですが、症状や進行に違いがあります。
介護について知りたい
症状の違いは具体的にどんなものがありますか?
介護の研究家
レビー小体病の特徴的な症状として、実際にはいない人が見える幻視や、vividな夢を見る、動作が遅くなったり、筋肉が硬くなるパーキンソン症状などがあります。アルツハイマー病で初期に多い物忘れは、レビー小体病ではあまり目立たないことが多いです。
レビー小体病とは。
「レビー小体病」とは、介護の現場でよく耳にする言葉の一つです。アルツハイマー病に次いで患者数が多い認知症として知られており、物忘れや幻視、気分の落ち込み(鬱状態)、動作が遅くなるなどの症状が現れます。
レビー小体病とは?
レビー小体病は、脳の神経細胞に異常なたんぱく質「レビー小体」が溜まることで発症する病気です。 アルツハイマー病に次いで多い認知症として知られており、進行すると記憶障害や行動異常、自律神経症状、パーキンソン症状など、さまざまな症状が現れます。
レビー小体病は、症状が多岐にわたり、症状の出方も個人差が大きいため、診断が難しい病気としても知られています。
アルツハイマー病との違い
レビー小体病とアルツハイマー病は、どちらも認知症を引き起こす代表的な病気ですが、症状や経過には違いがあります。
アルツハイマー病では、物忘れなどの記憶障害が初期の段階から目立ちます。一方、レビー小体病では、記憶障害よりも、幻視やパーキンソン症状(動作緩慢、筋肉の硬直、振戦など)、自律神経症状(便秘、起立性低血圧など)が早期から現れることが多いです。また、レビー小体病では、症状の日内変動が大きく、日によって良い時と悪い時の差が激しいのも特徴です。
正確な診断には、専門医による診察や検査が必要です。もし、ご自身やご家族に気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
具体的な症状:幻視と行動の変化
レビー小体病の代表的な症状として、幻視と行動の変化が挙げられます。
幻視は、実際には存在しないものが見える症状で、レビー小体病の患者さんの多くに見られます。特徴的なのは、人物や動物、虫などが繰り返し見えたり、動いているように感じたりする点です。
行動の変化としては、日中の活動性の低下や、ボーッとする、動作が遅くなる、表情が乏しくなるといった症状が現れます。また、うつ状態や不安感が強くなることもあります。
これらの症状は、病気の進行に伴って変化することがあります。初期の段階では軽い症状でも、徐々に悪化したり、他の症状が現れたりする可能性もあるため、注意が必要です。
重要なのは、これらの症状が認知機能の低下と関連して現れる点です。単なる物忘れとは異なり、日常生活に支障が出る場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。
治療法とケアのポイント
レビー小体病は、残念ながら根本的な治療法が確立されていません。しかし、症状を和らげ、生活の質を向上させるための薬物療法やリハビリテーション、ケアの方法があります。
薬物療法では、パーキンソン症状にはレボドパ製剤やドパミンアゴニストなど、幻視や妄想などの精神症状には抗認知症薬などが処方されます。薬の効果や副作用には個人差があるため、医師とよく相談しながら進めていくことが大切です。
リハビリテーションでは、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などを通して、身体機能の維持や改善を図ります。また、日常生活動作の訓練や、転倒予防、コミュニケーションの練習なども行われます。
介護者のサポートも重要です。レビー小体病の症状は変動しやすく、周囲の理解と適切な対応が必要です。患者さんのペースに合わせたコミュニケーションを心がけ、安心できる環境を整えてあげましょう。また、介護者自身の負担を軽減するために、地域包括支援センターなどの相談窓口を利用することも考えてみましょう。
家族ができること:支え方と情報収集
レビー小体病と診断された家族に、どのように接し、支えていけば良いのでしょうか。この病気は症状が多岐にわたり、進行も人それぞれであるため、家族は戸惑い、不安を感じやすいものです。まず、病気への理解を深め、患者さんの状況を把握することが重要です。
患者さんにとって、家族は最も身近な存在であり、精神的な支えとなります。症状による混乱や不安を和らげるよう、優しく穏やかに接し、いたずらに否定したり、叱責したりすることは避けましょう。
また、症状の変化や治療の経過などを記録することで、医師に正確な情報を伝えることができます。同時に、介護サービスなどの情報収集も大切です。地域包括支援センターなどに相談し、家族だけで抱え込まず、社会資源の活用も検討しましょう。
レビー小体病との向き合いは、長く、困難な道のりとなる場合もあります。しかし、正しい知識と適切な対応によって、患者さんの生活の質を維持し、穏やかな日々を送ることをサポートできるのです。