介護における「徘徊」:その背景と対応について

介護における「徘徊」:その背景と対応について

介護について知りたい

先生、介護の用語で『徘徊』っていう言葉が出てきたんですけど、どういう意味ですか?

介護の研究家

良い質問だね。『徘徊』は、認知症の人が目的もなく歩き回ってしまう行動のことだよ。例えば、家の中をウロウロしたり、外に出てしまったりすることだね。

介護について知りたい

ただ歩き回っているだけなら、別に問題ないんじゃないんですか?

介護の研究家

本人にとっては何か目的があるように見えても、実際にはそうではない場合が多いんだ。道に迷ってしまったり、事故に遭ってしまう危険性もあるから、注意が必要なんだよ。

徘徊とは。

「徘徊」とは、介護の現場で使われる用語で、認知症の周辺症状(BPSD)の一つです。これは、記憶障害や見当識障害などの影響で、本人には目的があるように見えても、実際には目的のない行動を指します。具体的には、特定の場所や地域を歩き回る様子が見られます。徘徊は「歩き回り」とも呼ばれますが、大切なのは、本人にとっては意味のある行動であると理解することです。

徘徊とは何か?

徘徊とは何か?

「徘徊」という言葉は、しばしば高齢者や認知症の方に見られる行動と結びつけられます。しかし、「徘徊」とは単に目的もなく歩き回る行動を指すのではありません。 徘徊には、本人に自覚のないまま、何らかの目的や必要性があって行われている場合も多いのです。例えば、トイレに行きたい、何かを探している、過去の記憶に基づいて自宅に帰ろうとしているなど、様々な理由が考えられます。重要なのは、「徘徊」を問題行動として捉えるのではなく、その背景にある思いや原因を理解しようと努めることです。

徘徊の原因と症状

徘徊の原因と症状

介護の現場でしばしば見られる「徘徊」。これは、一見すると目的のない行動のように思えるため、対応に苦慮する方も多いのではないでしょうか。徘徊は、認知症の症状の一つとして現れることが多く、その背景には様々な要因が考えられます。

徘徊の主な原因としては、記憶障害や判断力の低下が挙げられます。自分がどこにいるのか、これからどこへ行こうとしているのかがわからなくなることで、不安や混乱が生じ、それが徘徊行動につながると考えられています。また、過去の記憶がよみがえり、かつて住んでいた場所や懐かしい場所に行こうとしてしまう場合もあります。

さらに、環境の変化も徘徊を誘発する要因となりえます。慣れ親しんだ場所から病院や施設に移ることで、不安やストレスを感じ、それが徘徊に繋がることがあります。また、身体的な要因も無視できません。例えば、トイレに行きたい、喉が渇いたといった生理的な欲求が満たされず、それを表現することが難しく、結果として徘徊という行動に現れることもあります。

徘徊の症状としては、目的もなく歩き回ったり、同じ場所を行ったり来たりするといった行動が見られます。また、夜間や早朝など、周囲が静かな時間帯に徘徊が起こりやすいのも特徴です。さらに、周りの人に話しかけても反応が薄かったり、全く反応がないといった様子が見られることもあります。

徘徊は、介護する側だけでなく、徘徊する本人にとっても大きな負担や危険を伴います。そのため、徘徊の原因を正しく理解し、適切な対応策を講じることが重要です。

徘徊への対応

徘徊への対応

徘徊行動への対応は、その方の安全確保を最優先に心理的な側面にも配慮することが重要です。行動を無理に制限するのではなく、なぜ徘徊したくなるのか、その背後にある気持ちやニーズを理解することが大切です。

まず、環境調整として、徘徊しやすい場所や危険な場所を把握し、転倒防止対策や外出時の見守りなどを徹底します。また、日中の活動に取り入れることで、夜間の徘徊を軽減できることもあります。散歩や軽い運動、レクリエーションなど、その方の興味関心に合わせた活動を提供することで、心身の安定を目指します。

コミュニケーションにおいては、否定的な言葉がけを避け、「大丈夫ですよ」「一緒に散歩しましょう」など、安心感を与えられる言葉を選びましょう。そして、徘徊行動を記録することで、行動パターンを把握し、より適切な対応ができるようになります。

徘徊を予防するために

徘徊を予防するために

徘徊は、介護する側にとっても、される側にとっても大きな負担となる問題です。しかし、徘徊には必ず原因があり、その原因を特定し、環境や対応を工夫することで、徘徊を減らす、あるいは未然に防ぐことが可能です。ここでは、徘徊を予防するための具体的な方法をいくつかご紹介します。

徘徊する本人への理解を深める

徘徊する本人への理解を深める

「徘徊」という言葉には、どこか否定的な響きがあるように感じられませんか? しかし、介護が必要な方が目的もなく歩き回っているように見える行動の背景には、様々な理由が隠されています。認知機能の低下により、自分がどこにいるのか分からなくなったり、不安やストレスを感じていたりする可能性があります。もしかしたら、過去に住んでいた場所に行こうとしたり、大切な人に会いたいという気持ちから、歩き回っているのかもしれません。 私たちがまずすべきことは、「徘徊」を問題行動と決めつけるのではなく、その背後にある気持ちを理解しようと努めることです。行動のきっかけやパターンを記録することで、本人が何を求めているのか、そのヒントが見えてくるかもしれません。

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