介護と塞栓症:知っておきたいリスクと予防
介護について知りたい
先生、『塞栓』ってどういう意味ですか? 介護の勉強をしていて出てきたんですが、よくわかりません。
介護の研究家
『塞栓』はね、血管が詰まってしまうことだよ。例えば、血液中の塊や脂肪の塊などが血管に詰まってしまうんだ。
介護について知りたい
血管が詰まるとどうなるんですか?
介護の研究家
血管が詰まると、血液がその先に流れなくなってしまいます。 すると、その先の細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、最悪の場合、細胞が死んでしまうこともあるんだよ。脳の血管で起こると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞になるんだ。高齢者の介護では、特に注意が必要な病気の一つだね。
塞栓とは。
介護用語の「塞栓」とは、血液の塊(血栓)や脂肪、腫瘍の破片などによって血管が詰まり、血液の流れが遮断されることを指します。脳梗塞や肺塞栓症といった深刻な病気を引き起こす可能性があり、「塞栓症」とも呼ばれます。
塞栓症とは?
塞栓症とは、血管が詰まることで様々な体の部位に障害が起こる病気です。 血液の流れによって運ばれてきた異物が血管を塞いでしまうことで発生します。この異物は、血の塊である血栓の他に、脂肪、空気、細菌などがあります。
介護現場における塞栓症のリスク
介護が必要な状態になると、どうしても身体活動量が低下し、長時間同じ姿勢を続けることが多くなります。これは、血液の流れが滞りやすくなることを意味し、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクを高める大きな要因となります。
特に、加齢や病気、手術の影響などで体の機能が低下している場合は、さらにリスクが高まります。また、脱水も血液をドロドロにしやすく、塞栓症のリスクを高めるため注意が必要です。
介護現場では、このようなリスクを認識し、予防対策を積極的に行っていくことが重要です。
塞栓症のサインと症状
塞栓症は、血管が血の塊によって詰まってしまうことで起こり、命に関わる場合もあります。早期発見・治療が重要となるため、介護の現場では、そのサインを見逃さないようにすることが大切です。
塞栓症の症状は、血栓ができた場所や大きさによって異なりますが、特に注意すべきサインとして、以下のようなものがあります。
* -突然の呼吸困難- 肺塞栓症の兆候の可能性があります。
* -胸の痛み- 肺塞栓症や心臓の血管が詰まった場合に起こることがあります。
* -足の痛みや腫れ- 深部静脈血栓症の可能性があります。特に片方の足に症状が現れることが多いです。
* -ろれつが回らない、顔の麻痺- 脳梗塞の可能性があります。
* -意識障害- 脳梗塞などの深刻な状態の可能性があります。
これらの症状が見られた場合は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。
介護の現場では、日頃から利用者の様子をよく観察し、少しでも異変を感じたら、ためらわずに医師や看護師に相談することが大切です。
塞栓症の予防策
介護が必要な状態になると、どうしても身体活動量が減り、血流が滞りがちになります。これが、塞栓症のリスクを高める一因となります。しかし、日々の生活の中で、少しの工夫と注意で塞栓症のリスクを減らすことは可能です。
まず心がけたいのが、こまめな水分補給です。水分が不足すると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなってしまいます。定期的に水分を摂るように心がけましょう。また、軽い運動も効果的です。無理のない範囲で、足首を回したり、腕を上げ下げしたりするだけでも、血流改善に繋がります。
さらに、弾性ストッキングの着用も有効な手段です。これは、脚に適度な圧力をかけることで、血液の循環を促し、血栓の形成を防ぐ効果があります。
これらの予防策は、あくまでも一般的なものであり、全ての人に当てはまるわけではありません。持病がある方や、薬を服用中の方は、自己判断せず、必ず医師に相談の上、適切な予防策を実践するようにしてください。
塞栓症が疑われる場合の対応
もしも、介護している方が急な胸の痛みや息苦しさ、足の痛みや腫れなどを訴えられた場合、それは塞栓症のサインかもしれません。特に、片方の足の痛みや腫れは重要な兆候です。このような症状が見られたら、一刻も早く医療機関に連絡してください。早急な対応が、症状の悪化を防ぐために不可欠です。自己判断はせず、必ず専門家の指示を仰ぐようにしましょう。