分かりやすく解説！病態食とは？

分かりやすく解説！病態食とは？

病態食とは何か？

病態食とは、病気の症状に合わせて食べ物を調整した食事のことです。病気によって体力が低下したり、消化吸収機能が弱まったりするため、普段通りの食事では栄養が不足したり、体調を崩してしまうことがあります。そこで、病状や体質に合わせて栄養バランスを調整した食事を摂ることで、病気の治療を助け、健康な状態へと導くことを目的としています。

病態食の種類と目的

病態食には、大きく分けてエネルギーやたんぱく質などを制限する「制限食」と、消化吸収をよくしたり、特定の栄養素を多く含む「調整食」の二つがあります。
ここでは、代表的な病態食の種類と、どのような目的で提供されるのかを具体的に見ていきましょう。

– 制限食
* -低塩分食- 高血圧や腎臓病など、塩分制限が必要な場合に提供されます。
* -糖尿病食- 糖尿病の患者さんに向けて、血糖値の上昇を抑えるために、糖質やエネルギーを調整した食事です。
* -低たんぱく質食- 腎臓病など、たんぱく質の摂取制限が必要な場合に提供されます。

– 調整食
* -高エネルギー食- がんや消化器疾患などで、十分なエネルギーを摂取できない場合に提供されます。
* -高たんぱく質食- やけどや手術後など、たんぱく質を多く必要とする場合に提供されます。
* -ソフト食- かむ力や飲み込む力が弱い方のために、食材を柔らかく調理したり、とろみをつけた食事です。

それぞれの病状や症状に合わせて、これらの病態食を組み合わせたり、さらに細かく調整する場合もあります。大切なのは、患者さん一人ひとりの状態を理解し、適切な栄養管理を行うことです。

糖尿病食：エネルギーコントロールとバランスが大切

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度（血糖値）が高くなる病気です。食事療法はこの病気の治療において非常に重要な役割を担っており、毎日の食事の中で血糖値をコントロールすることが大切です。

糖尿病食は、ただ単に甘いものを控えるだけでなく、摂取するエネルギー量をコントロールし、栄養バランスを考えた食事をとることが重要になります。具体的には、炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスを調整し、食物繊維を積極的に摂取する必要があります。また、食事の時間が不規則にならないように、毎日決まった時間に食べることも大切です。

糖尿病食は、決して「特別な食事」ではありません。毎日の食事の基本を大切にしながら、ご自身の状態に合わせた食事を心がけましょう。糖尿病の症状や生活習慣、体質は人それぞれ異なるため、医師や管理栄養士などの専門家に相談しながら、自分に合った食事療法を進めていくことをおすすめします。

腎臓病食：たんぱく質と塩分量の調整

– 腎臓病食たんぱく質と塩分量の調整

腎臓は、血液から老廃物や余分な水分をろ過し、尿として体外へ排出する働きをしています。しかし、腎臓の機能が低下すると、このろ過機能がうまく働かなくなり、体内に老廃物や水分が溜まってしまうことがあります。これが腎臓病の状態です。

腎臓病食は、腎臓への負担を軽減し、病気の進行を遅らせることを目的とした食事です。具体的には、たんぱく質と塩分を控えることが重要となります。

たんぱく質は、体を作るために必要な栄養素ですが、腎臓で分解されるときに老廃物が発生します。腎臓病の場合、たんぱく質の摂取量を控えることで、腎臓への負担を軽減することができます。

また、塩分の摂りすぎは、体内の水分量を増加させ、腎臓に負担をかけます。腎臓病食では、塩分を控えることで、腎臓の働きを助けるようにします。

腎臓病食は、医師や管理栄養士の指導のもと、個々の症状や病状に合わせた食事療法を行うことが大切です。自己判断で食事制限を行うことは大変危険ですので、必ず専門家の指示に従ってください。

病態食を食べる上での注意点

病態食は、病気の症状を改善したり、治療効果を高めたりするために、栄養バランスを調整した食事です。そのため、自己判断で始めたり、止めたりすることは大変危険です。必ず、医師や registered dietitian（管理栄養士）の指示に従って下さい。

また、病状や体質によっては、特定の食品が制限されることがあります。食事の内容や量、食べる時間など、指示されたことはきちんと守りましょう。

病態食は、あくまで治療の一環です。美味しく楽しく食事をすることも大切にし、医師や registered dietitian（管理栄養士）と相談しながら、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。