介護用語

福祉用語について

命をつなぐIVH:経静脈栄養法の基礎知識

IVHは、Intravenous Hyperalimentation(静脈栄養法)の略称で、口から十分な栄養を摂ることが難しい場合に、静脈から栄養を補給する方法です。 この方法では、ブドウ糖やアミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルなどを混合した高カロリーの輸液を、点滴によって直接静脈内に投与します。 IVHは、病気や手術の影響で食事が困難な患者さんにとって、栄養状態を維持し、回復を助けるために非常に重要な役割を担っています。
認知症について

介護の基礎知識:中核症状とは?

中核症状とは、認知症の中核となる症状のことです。具体的には、記憶障害、見当識障害、判断力や理解力の低下、実行機能障害などが挙げられます。これらの症状は、認知症の根本的な原因となる脳の細胞の損傷や機能低下によって引き起こされます。そのため、中核症状は認知症の診断において非常に重要な意味を持ちます。 例えば、昨日の夕食を思い出せないといった記憶障害や、日付や場所が分からなくなる見当識障害は、認知症の初期段階から現れやすい症状です。また、状況を正しく判断したり、適切な行動を選択したりすることが困難になる判断力や理解力の低下や、計画を立てて実行することが難しくなる実行機能障害は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 中核症状は、認知症の種類や進行度合いによってその現れ方が異なります。そのため、中核症状を正しく理解し、適切な対応を行うことが重要です。
福祉用語について

知っておきたい!社会福祉事業団の基礎知識

社会福祉事業団とは、社会福祉法に基づいて設立された、社会福祉事業を行う非営利の法人です。 都道府県知事の認可を受けて設立され、社会福祉事業を安定的に運営していくために、国や地方自治体からの補助金や、 事業収入を得て運営されています。 具体的には、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、低所得者世帯への支援など、幅広い分野の社会福祉事業を担っています。
福祉用語について

介護の現場で活躍する「ストレッチャー」とは?

介護の現場でよく見かける「ストレッチャー」。これは、ベッドから車椅子への移動や、部屋間の移動など、寝たきりの方や歩行が困難な方を安全かつスムーズに移動するために用いられる医療用の運搬具です。 病院や介護施設などで広く活用されており、介護スタッフの負担軽減と、要介護者の安全確保に大きく貢献しています。
福祉用語について

介護と感染症:知っておきたい『キャリア』

介護現場は、高齢者や基礎疾患を持つ方が多く集まるため、感染症のリスクが高い場所と言えます。免疫力が低下している方が多いことに加え、共同生活を送る場合が多いため、いったん感染症が発生すると、まん延するリスクも高まります。特に、インフルエンザ、ノロウイルスによる感染性胃腸炎、肺炎などは、重症化のリスクも高く、注意が必要です。また、近年では新型コロナウイルス感染症の流行により、介護現場における感染症対策の重要性が、より一層高まっています。
福祉用語について

高齢者介護と内分泌の関係

私たちの体には、健康を維持するために、さまざまな器官が連携して働く複雑なシステムが存在します。その中でも、ホルモンと呼ばれる化学物質を使って体の機能を調整するのが「内分泌系」です。 例えるなら、ホルモンは体中にメッセージを届ける「郵便配達員」のようなもの。脳の下垂体や甲状腺、副腎といった器官から分泌されたホルモンは、血液に乗って全身をめぐり、特定の細胞に働きかけて体の状態を整えています。 この内分泌系、実は加齢によって変化しやすいという特徴があります。ホルモンの分泌量が減ったり、逆に増えすぎたりすることで、体のバランスが崩れ、様々な不調が現れることも。高齢者介護において、内分泌系の知識を持つことは、利用者さんの体の変化を理解し、よりきめ細やかなケアを提供するためにとても大切なのです。
福祉用語について

介護用語の間違い「繁殖」とは?

介護の現場では、利用者さんの尊厳を守るため、言葉遣いには特に注意を払う必要があります。しかし、忙しさや慣れから、誤った言葉遣いがまかり通ってしまうケースも少なくありません。その一つに、「繁殖」という言葉の使用が挙げられます。 一般的に「繁殖」は、動物に対して用いる言葉であり、人間に対して使うことは大変失礼にあたります。しかし、介護現場では、褥瘡(じょくそう)の悪化や増えることを指して「繁殖」と表現してしまうことがあります。これは、本来「悪化」や「拡大」といった言葉で表現するべきものです。
福祉用語について

ケアワーカーの仕事内容とやりがい

高齢者や障がいを持つ方など、日常生活を送る上で支援が必要な方のサポートを行うのがケアワーカーです。身体介護と生活援助の2つの側面から利用者の自立を支援し、その人らしい生活を送れるように手助けをします。介護福祉士と混同されがちですが、資格の有無は問いません。人の役に立ちたいという気持ちがあれば、誰でもチャレンジできる仕事と言えるでしょう。
福祉用語について

介護におけるインフォームド・コンセント:重要性と実践

インフォームド・コンセントとは、介護を受ける方が、ご自身の身体状況や介護の内容、選択肢などを十分に理解した上で、介護サービスを受けるか、拒否するか、あるいはどのようなサービスを受けるかなどを、自らの意思で決定することを言います。 これは医療現場でよく耳にする言葉ですが、介護の現場においても同様に重要視されています。介護を受ける方が、自身の状況や提供されるサービスについて正しく理解し、納得した上で選択することで、より質の高い、そしてその人らしい生活を送る手助けになると考えられているからです。
福祉用語について

知っておきたい!介護と免疫の基本

私たちの身の回りには、目には見えないたくさんの細菌やウイルスなどの病原体が存在しています。免疫とは、これらの病原体から体を守る、いわば「体の防衛システム」のことです。 風邪をひいたとき、熱が出たり、咳が出たりするのは、体内に侵入したウイルスと免疫が戦っている証拠です。免疫は、生まれながらに備わっている「自然免疫」と、後天的に獲得する「獲得免疫」の二つに分けられます。 自然免疫は、常に体内への侵入者を監視し、発見次第攻撃する、いわば最前線の防御部隊です。一方、獲得免疫は、一度戦った相手を記憶し、次に同じ敵が侵入してきたときに効率よく撃退することができます。 免疫は、健康を維持するために非常に重要な役割を担っています。特に、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどによって免疫力は低下しやすくなるため注意が必要です。日頃からバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めていきましょう。
福祉用語について

介護と神経系: 知っておきたい基礎知識

神経系とは、私たちの体全体に張り巡らされた情報ネットワークのようなものです。 脳や脊髄などの「中枢神経系」と、そこから枝分かれして全身に広がる「末梢神経系」の二つに大きく分けられます。 感覚器官からの情報を受け取り、脳で処理して筋肉などに指令を送ることで、体を思い通りに動かしたり、周囲の変化に反応したりすることができます。
福祉用語について

介護における『自助』とは?

介護の世界において『自助』とは、利用者自身が自らの力で、可能な限り自立した生活を送ることを意味します。これは決して簡単なことではなく、身体機能の低下や病気など、様々な困難を伴う場合も少なくありません。しかし、「自分でできることは自分で行う」という意識を持つことは、利用者の尊厳を守り、より豊かな生活を送る上で非常に重要です。 自助の精神は、単に身体的な自立を促すだけではありません。自らの力で生活を維持することで、自信や達成感を育み、精神的な自立にも繋がるのです。また、介護者への負担を軽減することで、より良い関係を築くことにも繋がります。介護における『自助』は、利用者と介護者の双方にとって、より良い未来を創造するための重要な鍵と言えるでしょう。
福祉用語について

介護に酸素系漂白剤が最適な理由

酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムを主成分とした漂白剤です。過炭酸ナトリウムは水に溶けると、酸素を発生しながらアルカリ性の炭酸ソーダに変化します。 この酸素の泡が、繊維の奥に染み込んだ汚れを分解し、漂白・除菌・消臭効果を発揮します。漂白力は塩素系漂白剤に比べると穏やかですが、ツンとした刺激臭がなく、色柄物にも使える点が特徴です。また、使用後の排水は、自然界にある炭酸ソーダと酸素に分解されるため、環境にも優しい漂白剤と言えるでしょう。
福祉用語について

介護現場における構音障害への理解

構音障害とは、脳卒中や認知症などが原因で、発声に必要な器官に問題がないにも関わらず、言葉がはっきりと言えなくなってしまう状態を指します。具体的には、「さしすせそ」が「たちつてと」と聞こえる、「ぱぴぷぺぽ」が「ばびぶべぼ」と聞こえるなど、特定の音韻の誤りがみられることがあります。また、呂律が回らない、声がかすれる、声が小さいといった症状が現れることもあります。 構音障害は、コミュニケーションを困難にするだけでなく、患者さんの意思表示を妨げ、生活の質を低下させてしまう可能性があります。そのため、介護現場では構音障害に対する正しい理解と適切な対応が求められます。
福祉用語について

知っておきたい!介護と医療計画の関係

医療計画とは、皆さんが住んでいる都道府県において、医療提供体制の確保を図るための計画です。具体的には、病院の数や病床数、医療従事者の配置などが定められています。将来を見据え、医療費の増加や高齢化に対応できるよう、地域の実情に応じて策定されます。
高齢者の病気について

介護と脳卒中:知っておきたい基礎知識

脳卒中とは、脳の血管に障害が起こることで、脳の機能が損なわれる病気です。 脳は、身体の動きや感覚、言語、思考などをコントロールする重要な器官であるため、脳卒中を発症すると、麻痺や言語障害、意識障害など、様々な後遺症が残ることがあります。 脳卒中には、大きく分けて「脳梗塞」と「脳出血」の2種類があります。脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなる病気です。一方、脳出血は、脳の血管が破れて出血し、脳細胞が損傷を受ける病気です。 脳卒中の発症リスクを高める要因としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、飲酒、運動不足、肥満、ストレスなどが挙げられます。 また、加齢も脳卒中の発症リスクを高める要因の一つです。 脳卒中は、早期発見・早期治療が非常に重要です。後遺症を残さないためには、発症した際に迅速な対応が必要です。脳卒中の症状としては、顔面麻痺、腕の脱力、言葉の障害などが挙げられます。これらの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
福祉用語について

介護現場の衛生管理: 中水準消毒薬を使いこなす

介護現場における衛生管理は、利用者の健康と安全を守る上で非常に重要です。特に、感染症の予防には、適切な消毒薬を用いた環境整備が欠かせません。 中水準消毒薬は、芽胞(がほう)以外の細菌、真菌、ウイルスなど、幅広い微生物に効果を発揮する消毒薬です。 医療現場や介護現場で使用される機会が多く、その効果と安全性のバランスの良さから、重要な役割を担っています。 次項では、中水準消毒薬の種類や特徴、具体的な使用場面について詳しく解説していきます。
福祉用語について

介護における『直腸』の理解を深める

排泄ケアは、介護の現場において重要な役割を担っています。利用者の方の尊厳を守り、快適な生活を送っていただくためには、身体の仕組みへの正しい理解が欠かせません。今回は、排泄に深く関わる器官である「直腸」について、その基礎知識を解説していきます。 直腸は、大腸の一部であり、肛門へと繋がる最終部分を指します。長さはおよそ15cmほどで、S状結腸に続き、骨盤腔内で仙骨と尾骨の前に位置しています。直腸には、便が一時的に貯蔵される役割があります。 食べ物の消化吸収を終えた残渣は大腸を通過し、直腸へと送られます。そして、直腸に便が一定量たまると、その刺激が脳へと伝わり、便意をもよおすのです。
福祉用語について

介護の守秘義務:大切な情報を守る

- 守秘義務とは何か? 介護現場における具体例 介護の現場では、利用者の方のプライバシーに関わる非常にデリケートな情報を多く扱います。そのため、介護従事者には守秘義務が課せられています。これは単に口外してはいけないというだけでなく、業務上知り得た情報を適切に扱うことが求められます。 具体的には、利用者の方の氏名や住所、病状、家族構成、経済状況などを、業務目的以外に使用したり、他人に漏らしたりすることは許されません。 例えば、以下のような行為は守秘義務違反に該当する可能性があります。 * 利用者の方の話を許可なく他の利用者の方や家族、友人に話す。 * 個人が特定できるような情報をSNSに投稿する。 * 業務外で知り合った人に、仕事で担当している利用者の方の話を詳細にする。 たとえ悪意がなく軽い気持ちで行った行為でも、重大な結果を招く可能性があることを認識し、常に情報を適切に取り扱うよう心がけましょう。
福祉用語について

介護における「寛解」とは? 知っておきたい症状と対応

- 介護における寛解その意味と重要性 介護を必要とする状態になったとしても、必ずしもその状態がずっと続くわけではありません。 病気や怪我、あるいは認知症の症状など、適切なケアや治療によって、症状が一時的に改善する場合があります。これを「寛解」と呼びます。 介護における寛解は、要介護者本人にとって、生活の質(QOL)の向上や、自立した生活への復帰を期待できる可能性を秘めています。 また、介護者にとっても、負担が軽減され、精神的なゆとりが生まれるなど、ポジティブな影響をもたらします。 しかし、寛解は症状の消失を意味するものではなく、再び症状が現れる可能性も少なくありません。 ですから、寛解の状態を正しく理解し、適切な対応をとることが重要になります。
福祉用語について

介護と向き合う:自殺念慮への理解と対応

介護という行為は、献身と愛情を必要とする一方で、肉体的、精神的に大きな負担を強いるものでもあります。そして、その負担は時に、介護をする人の心を追い詰め、「死にたい」という自殺念慮に繋がってしまうことがあります。これは、決して無視することのできない、深刻な問題です。 自殺念慮は、具体的な自殺計画や方法を伴う場合もあれば、「消えてしまいたい」といった漠然とした思いにとどまる場合もあります。いずれにしても、介護者が抱える苦痛のサインであり、周囲の理解と適切なサポートが不可欠です。
福祉用語について

楽に呼吸!セミファーラー位のすすめ

セミファーラー位とは、ヨガの代表的な座位の一つで、サンスクリット語で「半分の英雄のポーズ」という意味を持ちます。その名の通り、片足を軽く曲げてかかとをお尻に近づけ、もう片方の足は後ろに伸ばした姿勢のことです。一見シンプルな姿勢ですが、骨盤を立てて背筋を伸ばすことで、体幹を意識し、呼吸を深める効果が期待できます。
福祉用語について

介護におけるエンパワメント:その真の意味と実践

- エンパワメントとは何か?介護における重要性を解説 「エンパワメント」。近年、様々な場面で耳にする機会が増えた言葉ですが、介護の分野においても重要なキーワードとなっています。では、エンパワメントとは一体どういう意味なのでしょうか? エンパワメントを簡単に説明すると「人が本来持っている力を引き出し、自らの力で人生を切り開いていけるようにすること」を指します。介護の現場では、要介護者自身の「できること」「やりたいこと」を尊重し、それを実現できるよう支援していくことで、エンパワメントを促進することができます。 従来の介護は、「してあげる」という視点が強かったかもしれません。しかし、エンパワメントという考え方が広まるにつれ、要介護者を「支えられる側」と捉えるのではなく、「自らの人生を歩む主体」として尊重する重要性が認識されるようになりました。
福祉用語について

介護の基礎:脈拍からわかること

心臓は、全身に血液を送るポンプのような役割を果たしています。このとき、心臓が収縮と拡張を繰り返すことで血液が送り出されていますが、この血液の流れが血管の壁を押し広げる際に感じられる拍動のことを、脈拍と呼びます。