福祉用語について 尊厳死:人生の最終章をどう生きるか 「尊厳死」。それは、回復の見込みがないと診断された患者が、延命治療を望まず、苦痛を和らげながら穏やかに最期を迎える選択を指します。しかし、この言葉は、安楽死や自殺幇助といった倫理的に複雑な問題と混同されることも少なくありません。本稿では、尊厳死の定義やその背景にある考え方、そして周囲の人々がどのように寄り添うべきかについて、深く掘り下げていきます。 2024.06.08 福祉用語について
福祉用語について 平穏死とは?穏やかな最期を迎えるための選択 「平穏死」。それは、近年、終末期医療の現場で頻繁に耳にするようになった言葉の一つです。しかし、その言葉の響きからは、なんとなく優しいイメージが浮かぶものの、具体的にどのような意味を持つのか、「尊厳死」や「安楽死」といった言葉とどう違うのか、明確に理解している人は少ないのではないでしょうか。 平穏死とは、延命治療を望まないと判断された場合に、苦痛を和らげ、自然な経過に任せて死を迎えることを指します。あくまで、自然な死を迎え入れることが前提であり、人工的に死を早める安楽死とは明確に区別されます。また、尊厳死のように、延命治療の中止を事前に書面に残すこととは異なり、平穏死はあくまでも、患者自身の意思を尊重しながら、医師と家族が共に最善の道を探っていくプロセスと言えるでしょう。 2024.06.07 福祉用語について
福祉用語について QODとは?尊厳ある最期のための選択 QODとは、Quality of Death and Life(クオリティ・オブ・デス・アンド・ライフ)の略称で、日本語では「人生の最終段階における生活の質」と訳されます。これは、単に延命治療をするかしないかではなく、残された時間をどのように生き、どのような最期を迎えるか、患者自身の意思を尊重し、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな側面から多角的に生活の質を高めることを目指す考え方です。 背景として、医療技術の進歩により延命治療が可能になった一方、人生の最終段階における患者の苦痛や、家族の負担の増加が課題として浮上してきました。QODは、このような状況下で、「死」をタブー視せず、患者自身が人生の最終段階をより良く生きることができるよう、医療者や社会全体で考えていくことの必要性を訴えるものとして注目されています。 2024.06.08 福祉用語について