
介護のキーワード『権利付与』で変わる生活
- 1. 権利付与とは? 介護における重要性
『権利付与』という言葉、耳慣れない方も多いかもしれません。これは、人が本来持っている自己決定権や選択の自由を尊重し、その人が望む生活を実現できるように支援する考え方です。介護の世界では、この権利付与が、利用者の生活の質を大きく左右する重要な鍵となっています。
従来の介護では、『お世話をする』という視点が強く、ともすれば利用者の意思決定が軽視されがちでした。しかし、真に豊かな生活を送るためには、どんな小さなことでも自分で選び、決定する経験の積み重ねが大切です。
権利付与に基づいた介護は、利用者を『支援の対象』と見るのではなく、『一人の人間』として尊重し、その人らしさを支えるものです。例えば、食事のメニュー、入浴の時間、着る服など、可能な限り利用者自身の意思を尊重し、選択の機会を提供することで、自尊心や意欲を高めることができるのです。