栄養

福祉用語について

介護と栄養吸収:門脈の役割とは?

門脈とは、消化管(胃や腸など)と肝臓をつなぐ血管のことです。食べ物を消化・吸収して得られた栄養は、まずこの門脈を通って肝臓に運ばれます。 肝臓は、栄養の処理や貯蔵、解毒など、生命維持に非常に重要な役割を担う臓器です。そのため、門脈は栄養を肝臓に送るという重要な役割を担っていると言えるのです。
高齢者の食事について

誤嚥を防ぐ!濃厚流動食とは?

食べ物を飲み込む力が弱まってしまった方にとって、食事は楽しみであると同時に、誤嚥のリスクと隣り合わせの行為でもあります。口にしたものがうまく食道へ送られず、気管に入ってしまう誤嚥は、肺炎などの深刻な病気につながる可能性もあるため、注意が必要です。 そこで注目されているのが「濃厚流動食」です。 濃厚流動食とは、その名の通り、通常の流動食よりもとろみを強くした食事のことを指します。飲み込みやすさを追求することで、安全に栄養を摂取することを目指します。
高齢者の食事について

治療食とは?分かりやすく解説

治療食とは、病気の症状を改善したり、栄養状態を改善したりするために、食事の内容を調整したものです。 病気の種類や症状、体格などによって必要な栄養素や食事の形態、摂取量が異なるため、医師の指示のもと、管理栄養士が一人ひとりに合った献立を作成します。 決して「特別な食事」というわけではなく、普段の食事を見直し、健康的な食生活を送るための第一歩とも言えます。
高齢者の食事について

介護現場で活かす!日本人の食事摂取基準

「日本人の食事摂取基準」は、健康な生活を送るために必要な栄養素の摂取量や目標量を示したものです。厚生労働省が5年ごとに改定しており、最新の科学的根拠に基づいています。この基準は、個人個人に合わせた食事指導を行うための重要なツールとなります。特に、高齢者の場合は、低栄養や生活習慣病のリスクが高まるため、食事内容に気を配ることが重要です。介護現場においても、この基準を理解し、食事提供や栄養指導に役立てることが求められます。
介護サービスについて

介護の食事サービス:栄養で支える健康長寿

介護が必要な方にとって、食事は健康を維持し、生活の質を向上させる上で非常に重要です。しかし、加齢や病気の影響で、自力で食事の準備や摂取が困難になる場合も少なくありません。 そこで、食事のサポートをする介護サービスとして「給食サービス」が登場します。これは、栄養バランスの取れた食事を、利用者の状況に合わせて提供するサービスです。施設や在宅など、様々な環境に合わせて利用することができます。
高齢者の健康のために

介護現場におけるアルブミン値の重要性

高齢者の健康管理において、栄養状態の把握は非常に重要です。その中でも、アルブミン値は、低栄養状態や栄養状態の変化を早期に発見するための重要な指標となります。 では、アルブミンとは一体どのような物質なのでしょうか? アルブミンは、私たちの血液中に最も多く含まれているたんぱく質の一種です。肝臓で作られ、血液によって全身に運ばれ、様々な役割を担っています。
高齢者の食事について

介護の強い味方!栄養機能食品を使いこなそう

加齢に伴い、身体機能の低下とともに、食事の摂取量や栄養バランスが崩れがちになることは、多くの人が経験するところです。特に、要介護状態の高齢者にとって、適切な栄養摂取は、健康維持、体力維持、そして生活の質(QOL)向上に不可欠と言えるでしょう。 十分な栄養が摂れない状態が続くと、低栄養状態に陥り、免疫力の低下や体力低下を招き、感染症にかかりやすくなったり、寝たきりのリスクが高まったりする可能性があります。また、体力低下は、介護者の負担増加にも繋がってしまうため、適切な栄養管理は、高齢者自身だけでなく、介護者にとっても重要な課題と言えるのです。
高齢者の食事について

高齢者介護に必須アミノ酸が必要な理由

私たちの体は、約20種類のアミノ酸から作られるタンパク質によって構成されています。そして、その中の約半分は、体内で合成することができず、食事から摂取する必要があるのです。これを必須アミノ酸と呼びます。必須アミノ酸は、健康な体を維持するために欠かせない栄養素であり、不足すると様々な体の不調につながる可能性があります。
高齢者の食事について

介護の食事に必須?食物繊維を解説

加齢によって身体の機能が低下するのは自然なことですが、特に顕著に現れやすいのが「お腹の調子」の変化です。便秘がちになったり、逆に下痢をしやすくなったりと、その症状は人それぞれ。これは、消化器官の動きが弱まり、便通がスムーズにいかなくなることが原因として挙げられます。 このような状況下で注目されているのが「食物繊維」。食物繊維は、消化を助けるだけでなく、腸内環境を整え、排便を促す効果も期待できます。つまり、高齢者の抱える便秘や下痢といった悩みに対し、食事面からアプローチできるというわけです。 さらに、食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を改善したりする効果も期待されており、生活習慣病の予防にも役立つと考えられています。高齢者の健康維持にとって、食物繊維は非常に重要な栄養素と言えるでしょう。
高齢者の健康のために

介護とミネラル:知っておきたい栄養素

ミネラルとは、カルシウムや鉄など、私たちの身体の機能を維持するために必要な栄養素の一つです。ビタミン同様、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。骨や歯の形成、筋肉や神経の働き、ホルモンバランスの調整など、健康な身体を保つためには欠かせない役割を果たしています。 ミネラルは、身体に必要な量によって主要ミネラルと微量ミネラルに分けられます。カルシウム、リン、マグネシウムなどは主要ミネラルに分類され、鉄、亜鉛、銅などは微量ミネラルに分類されます。どちらも健康維持には欠かせない存在であり、不足すると様々な体調不良を引き起こす可能性があります。
高齢者の健康のために

介護とカルシウム:知っておきたいその重要性

私たちの身体にとって欠かせない栄養素であるカルシウム。骨や歯を作るために必要不可欠なことはよく知られていますが、実はそれ以外にも、筋肉の収縮や神経伝達、血液凝固など、様々な生命活動において重要な役割を担っています。 加齢とともに、体内のカルシウムの吸収率は低下し、不足しやすくなる傾向にあります。特に、要介護状態になると、食事量の減少や運動不足などが重なり、さらにカルシウム不足のリスクが高まります。カルシウムが不足すると、骨粗鬆症のリスクが高まり、骨折しやすくなるだけでなく、寝たきりや認知症のリスクにも繋がることが懸念されています。 そのため、介護においては、利用者の状態に合わせた適切なカルシウム摂取のサポートが非常に重要となるのです。
福祉用語について

介護と代謝:知っておきたい体の仕組み

私たちが毎日元気に過ごすためには、食事から栄養を摂ることが欠かせません。では、口にした食べ物が、どのようにして体のエネルギーや細胞になるのでしょうか? その答えは、「代謝」にあります。 代謝とは、体内で起こる化学反応の総称を指します。食べ物を消化・吸収してエネルギーに変えたり、不要なものを排出したり、細胞を作り替えたりと、生命維持に欠かせない働きです。 代謝は大きく「同化」と「異化」の2つに分けられます。「同化」は、体を作るための反応です。食事から摂取した栄養素を元に、筋肉や骨、血液などを作り出します。一方、「異化」は、エネルギーを生み出すための反応です。摂取した栄養素を分解し、活動に必要なエネルギーを産生します。 この同化と異化のバランスが崩れると、様々な体の不調につながります。例えば、加齢に伴い代謝機能が低下すると、エネルギーが作られにくくなるため、疲れやすくなったり、体温が低くなったりします。また、使われなかったエネルギーは脂肪として蓄積されやすくなるため、肥満のリスクも高まります。 介護の現場においても、代謝の知識は重要です。高齢者の多くは代謝機能が低下しているため、食事内容や量、運動量などに注意が必要です。代謝を意識したケアを行うことで、高齢者の健康寿命を延ばすことに繋がるでしょう。
高齢者の健康のために

高齢者のための脂質講座:健康寿命を延ばそう

脂質とは、脂肪や油の総称です。 私たちの体にとって、エネルギー源となる大切な栄養素の一つであり、細胞膜の構成成分となったり、体温を保ったり、体の機能を調節するホルモンの材料となったりするなど、様々な役割を担っています。 脂質は、大きく「脂肪酸」と「コレステロール」に分けられます。 脂肪酸は、さらに「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。 飽和脂肪酸は、肉類や乳製品などに多く含まれ、摂りすぎると血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化のリスクを高める可能性があります。一方、不飽和脂肪酸は、魚類や植物油などに多く含まれ、善玉コレステロールを増やし、動脈硬化を予防する効果が期待できます。 コレステロールも、体にとって必要な成分です。細胞膜やホルモンの材料となるほか、胆汁酸の分泌を促し、脂質の消化吸収を助ける役割もあります。しかし、コレステロール値が高い状態が続くと、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。
高齢者の健康のために

介護とカリウム:知っておきたいその働き

カリウムは、私たちの体にとって欠かせないミネラルのひとつです。ナトリウムと連携し、体内の水分量や酸・アルカリ性のバランスを調整したり、神経伝達をスムーズにするなど、重要な役割を担っています。 不足すると、食欲不振や疲労感、脱力感などを引き起こす可能性があります。反対に、過剰摂取は、吐き気や嘔吐、不整脈などを引き起こし、最悪の場合、心停止に至ることもあります。高齢者の場合、腎機能の低下などにより体内のカリウム調整が難しくなるため、注意が必要です。
高齢者の病気について

高齢者の低栄養に注意!PEMって何?

近年、高齢者の間で増加傾向にあるのが『たんぱく質・エネルギー欠乏症』です。これは、略して『PEM』とも呼ばれ、健康を損なう原因の一つとして注目されています。 PEMは、その名の通り、たんぱく質とエネルギーが慢性的に不足することで起こります。高齢になると、食事量が減ったり、消化吸収機能が低下したりすることが原因で、必要な栄養素を十分に摂ることが難しくなる場合があります。 PEMは、免疫力の低下や筋力低下、骨折のリスク増加など、様々な体の不調につながることが知られています。また、感染症にかかりやすくなるなど、健康寿命を縮めることにもつながりかねません。 高齢者の皆さんはもちろん、周囲の方も、PEMについて正しく理解し、予防に努めることが大切です。
高齢者の健康のために

知って得する!介護とリノール酸の関係

「リノール酸」という言葉を耳にしたことはありますか? 健康や美容に関心の高い方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。 リノール酸は、私たちの体内で作ることのできない「必須脂肪酸」の一種で、主に植物油に多く含まれています。不足すると、皮膚の炎症や成長の遅延などを引き起こす可能性もあるため、毎日の食事から適切に摂取することが大切です。
高齢者の健康のために

介護の現場で注目の栄養素『ビタミン』

加齢に伴い、身体の機能は低下し、必要な栄養素も変化していきます。 その中でも、ビタミンは不足しがちな栄養素と言えるでしょう。 ビタミンには様々な種類がありますが、 今回は高齢者に特に必要なビタミンとその働きについて解説していきます。