
「痴呆症」から「認知症」へ: その理由と背景
「痴呆症」という言葉は、かつてアルツハイマー病などの脳の病気によって引き起こされる、記憶力や思考力の低下などを示す一般的な呼称でした。しかし、この言葉は医学的な用語であると同時に、差別や偏見を助長する表現として、近年問題視されるようになりました。具体的には、「痴呆」という言葉には、「知能が低い」「何も理解できない」といったネガティブなイメージが付随し、患者さんやそのご家族を傷つけたり、社会的な偏見を生み出したりする可能性がありました。