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福祉用語について

介護現場の必須用語「アウター」って何?

介護施設などで働く際、頻繁に耳にする言葉の一つに「アウター」があります。しかし、これは普段私たちが使っている「コート」や「ジャケット」といった意味ではありません。介護現場における「アウター」とは、利用者様が着ている洋服の上から羽織る、カーディガンやベスト、上着全般を指します。 なぜ「アウター」という言葉を使うのかというと、それは利用者様の尊厳を守るためです。介護の現場では、利用者様自身の所有物を明確にすることが非常に重要になります。洋服一つとっても、どれが利用者様の私物でどれが施設のものなのかを、はっきりと区別する必要があるのです。そのために、私物の洋服を「アウター」と呼ぶことで、施設の衣類と区別し、取り違えを防いでいるのです。
高齢者の健康のために

暗闇に目が慣れるまで?:介護と暗順応

「部屋の電気を消した瞬間、何も見えなくて怖い思いをしたことはありませんか?」目が暗さに慣れるまでには、少し時間がかかります。これを「暗順応」と呼びます。明るい場所から急に暗い場所に移動すると、最初は視界がぼやけたり、物の形や色がはっきり見えなかったりします。これは、網膜にある視細胞のうち、明るい場所で働く錐体細胞の働きが弱まり、暗い場所で働く桿体細胞が活性化するまでに時間がかかるためです。
高齢者の病気について

アシドーシスとは?高齢者に必要な知恵

私たちの身体は、常に弱アルカリ性の状態を保つように精巧にできています。しかし、様々な原因によってこのバランスが崩れ、酸性に傾いてしまうことがあります。これが「アシドーシス」と呼ばれる状態です。アシドーシスは自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。特に高齢者は、加齢に伴い身体の機能が低下しやすくなるため注意が必要です。今回は、高齢者にとって特に知っておきたいアシドーシスの原因や症状、予防法について詳しく解説していきます。
福祉用語について

高齢者の見守り:安否確認の重要性と方法

日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、定期的な安否確認がますます重要になっています。高齢者の多くは、持病を抱えていたり、体力低下により一人での生活が困難になるなど、様々なリスクを抱えています。そのため、異変を早期に発見し、必要なサポートを迅速に行うためには、家族や地域社会全体で見守っていく体制作りが求められます。
福祉用語について

介護の基本!「粗大動作」ってどんな運動?

「粗大動作」とは、身体の大きな筋肉を使う動作のことを指します。歩く、立つ、座るといった、日常生活で頻繁に行う基本的な動作がこれに当たります。 これらの動作は、私たちが普段何気なく行っている動作ですが、加齢や病気などによってスムーズに行うことが難しくなる場合があります。介護の現場においては、利用者の方の自立を支援し、生活の質を向上させるために、粗大動作の維持・改善に力を入れています。
福祉用語について

介護の質向上へ!「アウトカム」とは?

「アウトカム」とは、サービスを受けた結果、利用者がどのような状態になったのかを表す言葉です。介護の現場では、食事や入浴の介助、レクリエーションの実施など、様々なサービスを提供しています。しかし、大切なのは、これらのサービスを通して利用者の状態がどのように変化したのか、目標とする状態に近づけたのかを評価することです。 例えば、歩行が困難だった方が、リハビリなどのサービスを受けた結果、一人で歩けるようになった、といった状態の変化が「アウトカム」として挙げられます。介護においては、「QOL(生活の質)」の向上を最終的な目標とする場合が多く、身体機能の維持や改善、精神的な安定などがアウトカム指標として用いられます。
認知症について

知っておきたいアルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症とは、認知症の中で最も患者数が多い病気です。脳の神経細胞が徐々に壊れていくことで、 記憶力や思考力、判断力といった認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる病気です。代表的な症状としては、「物忘れ」が挙げられます。
福祉用語について

介護のアドボカシー:その役割と重要性

介護の現場において「アドボカシー」という言葉が使われる機会が増えてきました。では、アドボカシーとは一体どのような意味を持つのでしょうか?簡単に言うと、アドボカシーとは、ある人の権利や利益を守り、その人が自分らしく生活できるように支援することを意味します。介護の現場では、高齢者や障害者など、支援を必要とする方の代わりに、ご本人たちの意思を尊重し、権利を守り、より良い生活を送れるように支援する活動がアドボカシーと呼ばれます。
高齢者の病気について

介護現場における安静時振戦への対応

安静時振戦とは、その名の通り、身体を安静にしている時に現れる震えのことです。特に、指先や手首、顎などに見られる細かな震えが特徴です。安静時振戦は、パーキンソン病などの神経疾患に伴って起こることがありますが、加齢による生理的な変化や、不安、ストレス、疲労、薬の副作用などによっても現れることがあります。介護現場においては、利用者の方の日常生活動作を観察し、安静時振戦が見られる場合、その原因を見極めることが重要です。
福祉用語について

介護とアイデンティティ:その重要性と向き合い方

「私は誰なのか」「自分は何者なのか」という問いは、誰しもが心の奥底に抱えているものです。これは、アイデンティティと呼ばれる、その人自身を形作る基盤となる感覚です。そして、人生における大きな転換期には、このアイデンティティが揺らぎ、迷いを生むことがあります。 介護の世界においても、これは例外ではありません。特に、親の介護など、身近な人の介護を担う場合、その変化はより大きなものとなります。介護をするという役割を担う中で、自分自身の時間や仕事、人間関係が変化し、これまで当然のようにあった「自分の時間」「自分の仕事」「自分の友人との関係」といったものが制限されることも少なくありません。 このような状況下で、「自分は一体誰なのか」「介護をしている自分は何者なのか」という疑問を抱き、アイデンティティの喪失や自己肯定感の低下に苦しむ人は少なくありません。介護を続ける中で、自らのアイデンティティと向き合い、新たなバランスを見つけていくことが重要となります。
福祉用語について

介護の現場で活かすアンガーマネジメント

介護の現場は、体力面だけでなく精神面でも大きな負担がかかる職場です。常に相手の立場に立って寄り添うことが求められる一方で、利用者様からの予期せぬ行動や言動にストレスを感じてしまうこともあるでしょう。 このような状況下で、自身の感情と向き合い上手にコントロールする「アンガーマネジメント」は、介護職にとって非常に重要なスキルと言えます。介護職自身がアンガーマネジメントを身につけることで、ストレスを軽減できるだけでなく、利用者様とのより良い関係構築にも繋がるのです。
高齢者の病気について

介護現場で知っておきたい『悪性新生物』

「悪性新生物」という言葉を耳にしたことはありますか?これは、一般的に「がん」と呼ばれる病気を指す医学用語です。高齢化が進む現代において、介護現場でがんを患う方と接する機会は少なくありません。しかし、がんは患者さん本人だけでなく、それを支える家族や介護者にとっても、不安や戸惑いを伴うものです。 このコラムでは、介護現場で知っておきたい悪性新生物の基本的な知識や、患者さんへの適切な対応について解説していきます。
福祉用語について

介護施設におけるアウトブレイクを防ぐ

「アウトブレイク」 という言葉は、ニュースなどで耳にする機会も多いかもしれません。医療や介護の現場においては、ある感染症が短期間に、限られた範囲で、通常よりも多くの人に発生することを指します。 例えば、インフルエンザやノロウイルスなどが、介護施設の入居者や職員の間で急速に広がってしまう状況が、アウトブレイクにあたります。高齢者や基礎疾患のある方が多い介護施設では、いったん感染症が発生してしまうと、重症化したり、最悪の場合、命に関わる事態に発展する可能性も高いため、特に注意が必要です。
高齢者の病気について

高齢者に多い圧迫骨折、その原因と予防法

圧迫骨折とは、背骨の一部がつぶれてしまう骨折のことです。 骨粗鬆症などで骨がもろくなっている場合、くしゃみやちょっとした転倒など、比較的軽い衝撃でも発生する可能性があります。高齢者の場合、骨粗鬆症が原因で発症することが多く、特に女性に多く見られます。
福祉用語について

介護とアクセスフリー:優しい社会の実現に向けて

「アクセスフリー」とは、年齢、性別、障がいの有無、あるいは国籍などに関わらず、誰もが社会のあらゆる場面に、等しくアクセスできるようにすることを意味します。 具体的には、建物や交通機関、情報、サービスなどを、全ての人が利用しやすいように設計することを指します。 例えば、段差をなくしてスロープを設置したり、音声案内や点字表示を導入したり、多言語で情報提供を行うなどが挙げられます。
在宅の介護について

高齢者の安全を守る!上がり框との付き合い方

「上がり框」って聞いたことはあるけれど、実際はどんなところを指すのか、いまいちピンと来ない方もいるかもしれません。簡単に言うと、玄関や和室などの部屋の出入り口にある、床から一段高くなっている部分のことを指します。昔ながらの日本家屋ではよく見られる造りですね。
高齢者の病気について

介護現場で知っておきたい!アテロームの基礎知識

- アテロームとは?その原因と症状を解説 アテロームとは、動脈硬化の初期段階に見られる変化の一つで、血管の内側に脂肪などが溜まって隆起した状態を指します。 この隆起した部分を「アテローム性プラーク」と呼び、粥状の脂肪やコレステロールなどが溜まっているのが特徴です。 アテロームは、加齢や食生活の乱れ、運動不足、喫煙などの生活習慣によって引き起こされると考えられています。 初期段階では自覚症状がないことが多く、放置されると血管が狭くなり、血液の流れが悪くなります。 さらに進行すると、血管が詰まったり、プラークが剥がれて血管を塞いだりすることで、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性があります。 そのため、介護現場においても、アテロームの予防と早期発見が重要となります。
認知症について

知っておきたい!アルツハイマー型認知症治療薬の現状

アルツハイマー型認知症治療薬とは、認知症の中でも最も患者数が多いアルツハイマー型認知症の進行を遅らせたり、症状を改善したりすることを目的とした薬です。アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が徐々に壊れていくことで、記憶力や思考力など cognitive function が低下していく病気です。 現在のところ、アルツハイマー型認知症を完全に治す薬はありません。しかし、症状の進行を遅らせたり、日常生活の支障を軽減したりする薬は開発されており、患者さんの QOL (生活の質) を維持するために重要な役割を担っています。
福祉用語について

介護の基礎知識: アセスメントシートとは?

介護サービスを利用するにあたって、非常に重要な役割を担う「アセスメントシート」。耳にしたことはあっても、具体的にどんなものか、どんな目的で作成されるのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、このアセスメントシートについて、わかりやすく解説していきます。
高齢者の病気について

知っておきたい悪性リンパ腫と高齢者介護

悪性リンパ腫とは、リンパ系に発生するがんであり、血液のがんの一種です。リンパ系は、全身に張り巡らされた免疫システムで、細菌やウイルスから体を守る働きをしています。リンパ節、脾臓、骨髄など、体の様々な場所にリンパ組織は存在します。悪性リンパ腫は、これらのリンパ組織で異常なリンパ球が増殖することで発症します。 悪性リンパ腫は、大きく2つのタイプに分けられます。一つはホジキンリンパ腫、もう一つは非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫はさらに、悪性度によっていくつかの種類に分類されます。高齢者に多いのは、低悪性度の非ホジキンリンパ腫です。 悪性リンパ腫の症状は、リンパ節の腫れ、発熱、体重減少、寝汗など、様々です。症状は、がんの種類や進行度によって異なります。 高齢者の場合、加齢に伴う免疫力の低下や、他の病気を持っていることも多いため、悪性リンパ腫の発見が遅れてしまうことがあります。早期発見、早期治療が大切ですので、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
福祉用語について

介護現場のアドレナリン: 正体と対処法

- アドレナリンとは? 介護における影響 アドレナリンは、興奮やストレスを感じたときに分泌されるホルモンです。 別名「闘争または逃走ホルモン」とも呼ばれ、心拍数や呼吸数を増加させ、身体を危険に備えようとします。 介護現場では、利用者の急変時や、人手不足による業務過多など、様々なストレスに直面します。こうした状況下で分泌されるアドレナリンは、一時的に集中力や注意力を高め、迅速な対応を可能にするという点で、プラスに働くこともあります。 しかし、慢性的なストレス下では、アドレナリンが過剰に分泌され、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。イライラしやすくなったり、不眠や疲労感、食欲不振といった症状が現れることもあります。また、アドレナリンの過剰分泌が続くと、身体は疲弊し、バーンアウト(燃え尽き症候群)に陥ってしまうリスクも高まります。
高齢者の食事について

食品表示で安心安全!アレルギー表示を理解しよう

食物アレルギーは、特定の食品を摂取することで体に起こる、免疫システムの過剰な反応です。症状は人によって異なり、かゆみ、じんましんなどの軽度のものから、呼吸困難、意識障害といった重篤なものまで様々です。 食物アレルギーを持つ人にとって、食品表示は自分の体を守るための重要な情報源となります。食品表示のアレルギー情報は、製造者が使用した原材料や、製造過程で混入する可能性のあるアレルゲンについて、消費者にわかりやすく伝える役割を担っています。 アレルギー表示を正しく理解することで、食物アレルギーを持つ人も、そうでない人も、安全・安心に食品を選ぶことができます。
福祉用語について

介護の「説明責任」とは?安心できるサービス選びのために

- 介護における「アカウンタビリティ」とは? 「アカウンタビリティ」 、聞き慣れない言葉に戸惑う方もいるかもしれません。これは、英語の「Accountability」を日本語に訳したもので、 「説明責任」や「説明義務」と表現されます。 介護の現場では、介護サービスを提供する側(事業者や介護職員)が、サービスの内容や利用料金について、利用者やその家族に対して、分かりやすく説明する責任を指します。 つまり、介護事業者は、サービスの内容や料金について、利用者側が納得いくまで丁寧に説明する義務があるということです。
高齢者の健康のために

悪玉コレステロールを撃退!健康寿命を延ばす食事と運動

コレステロールと聞いて、体に悪いものというイメージを持つ方は多いのではないでしょうか?しかし、コレステロールは私たちの体にとって必要な成分の一つです。細胞膜やホルモンの材料となるなど、重要な役割を担っています。 ただし、コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)の2種類があり、問題となるのは悪玉コレステロールです。悪玉コレステロールは、血液中に増えすぎると血管の内側に溜まり、動脈硬化を引き起こす原因となります。動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めるため、注意が必要です。