「は」

福祉用語について

「排菌者」って?正しく理解し、感染を防ごう

介護の現場では、高齢者の方々と接する機会が多くあります。そのため、感染症のリスクと隣り合わせであることを常に意識しておく必要があります。特に、「排菌者」という言葉は、感染症予防の観点から重要なキーワードです。「排菌者」とは、体内に病原体を持っており、その病原体を体外に排出している人のことを指します。 重要なのは、排菌者=患者ではないということです。病原体を体内に持っている、つまり感染していても、発熱や咳などの症状が出ていない場合もあります。このような場合、無症状であっても、周囲に病原体を広げてしまう可能性があるため注意が必要です。介護現場では、特に高齢者や免疫力が低下している方など、感染症にかかりやすい方が多くいらっしゃいます。そのため、「排菌者」の存在を正しく理解し、適切な感染対策を行うことが重要になります。
福祉用語について

介護の基礎!バイステックの7原則を学ぶ

バイステックの7原則とは、イギリスの社会学者ティム・バイステックが提唱した、認知症ケアにおいて重要とされる7つの原則です。認知症の方の行動や心理の背景を理解し、尊厳を尊重したケアを行うための指針として、世界中で広く活用されています。
在宅の介護について

高齢者の強い味方!配食サービスとは?

近年、高齢化社会の進展とともに、高齢者の食生活を支えるサービスとして注目を集めているのが「配食サービス」です。このサービスは、高齢者の方々をはじめ、病気や怪我などで食事の準備が困難な方を対象に、栄養バランスの取れた食事を自宅まで届けてくれます。 配食サービスと一言で言っても、その仕組みや内容は実にさまざまです。毎日の食事を提供する「日常型配食サービス」、カロリーや塩分を制限した食事を提供する「療養食サービス」、お弁当の形式で届けるものや、調理済みの食材を温めるだけのものなど、サービス形態も多岐にわたります。
高齢者の病気について

介護現場で注意すべき感染症:麻疹とは?

麻疹は、麻疹ウイルスによって引き起こされる、非常に感染力の強いウイルス性感染症です。空気感染や飛沫感染で感染し、感染力が非常に強いため、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症すると言われています。主な症状は、高熱、咳、鼻水、目の充血などで、発疹が出る3~4日前から人に感染させる可能性があります。その後、全身に赤い発疹が現れ、肺炎や中耳炎などの合併症を引き起こすこともあります。特に、乳幼児や免疫力の低下している高齢者は、重症化するリスクが高いと言えるでしょう。
福祉用語について

白杖って?知っておきたい役割と etiquette

白杖は、視覚障害者が歩行の際に使用する杖のことです。白い色をしているため、周囲の人々は視覚障害者であることを認識しやすくなります。杖の先端は地面を感知し、段差や障害物を確認するために使われます。 単なる歩行の補助具ではなく、視覚障害者の安全を守るための重要なツールと言えるでしょう。
福祉用語について

介護現場で気をつけたい「羞明」の症状と対応

「羞明」とは、光に対して過度にまぶしさを感じてしまう症状のことです。太陽光や蛍光灯など、通常ではまぶしさを感じない程度の光でも、不快感や痛みを感じることがあります。高齢者の場合、白内障や加齢黄斑変性など、目の病気によって羞明が引き起こされることがあります。また、認知症の症状として羞明が現れることもあります。
福祉用語について

介護の基礎知識:バイタルサインを読み解く

バイタルサインとは、心拍数、呼吸数、体温、血圧など、身体の状態を示す重要な指標のことです。これらの数値は、私たちの体が正常に機能しているかどうかを判断する上で非常に重要です。介護の現場では、利用者さんの状態を把握し、適切なケアを提供するために、バイタルサインを正しく測定し、その意味を理解することが求められます。
高齢者の病気について

パーキンソン病と介護:知っておきたい基礎知識

- パーキンソン病とは?原因と症状を解説 パーキンソン病は、脳の神経伝達物質であるドーパミンが減少することで起こる病気です。ドーパミンは、体の動きをスムーズにするために重要な役割を果たしています。ドーパミンが不足すると、体を思い通りに動かすことが難しくなります。 パーキンソン病の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、加齢、遺伝、環境要因などが関係していると考えられています。 パーキンソン病の症状は、初期には、手足の震え、動作が遅くなる、筋肉が硬くなるなど、比較的軽いものが目立ちます。 病気が進行すると、歩行障害、姿勢保持障害、言葉が話しにくくなる、表情が乏しくなるなどの症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすようになります。 パーキンソン病は、完治が難しい病気ですが、早期発見・早期治療によって症状の進行を遅らせることができます。
高齢者の健康のために

肺炎球菌ワクチンで守る、高齢者の健康

肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌という細菌による感染症を防ぐためのワクチンです。肺炎球菌は、私たちの身の回りにどこにでもいるありふれた細菌ですが、高齢者や小さな子どもなど、免疫力が低い人が感染すると、肺炎や髄膜炎など、重い病気につながることがあります。そのため、高齢者の方には、肺炎球菌ワクチンを接種することが推奨されています。
高齢者の健康のために

介護施設の敵!?バイオフィルムを知っていますか?

細菌は単独で存在しているとは限りません。水中の岩や歯の表面など、様々な場所に付着し、ぬるぬるとした膜状になって集団を形成することがあります。この膜は細菌が出す粘液によって作られており、「バイオフィルム」と呼ばれています。バイオフィルムは細菌にとって、外部環境から身を守り、栄養を共有するための「家」のような役割を果たしています。
高齢者の病気について

介護の基礎知識:廃用症候群を防ぐために

「廃用症候群」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、加齢や病気、怪我などが原因で身体を動かす機会が減ってしまうことで、心身ともにさまざまな機能が低下してしまう状態を指します。高齢者の方や、病気や怪我で療養中の 方によく見られます。
福祉用語について

介護の必需品!パルスオキシメーターを使いこなそう

パルスオキシメーターは、指先に光を当てることで、血液中の酸素飽和度(SpO2)を測定する医療機器です。 酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンがどれだけ酸素と結合しているかを示す指標で、健康状態を把握する上で重要な役割を果たします。 従来は、病院などの医療機関でしか使用されていませんでしたが、近年では小型化・軽量化が進み、家庭でも手軽に使えるようになりました。 介護の現場では、体調の変化をいち早く察知し、適切な対応をとるために、パルスオキシメーターが欠かせない存在となっています。
高齢者の健康のために

白衣高血圧とは?介護現場で知っておきたいこと

白衣高血圧とは、医療機関など白衣を着た人のいる場所で一時的に血圧が上昇してしまう現象のことです。これは、緊張や不安など、心理的な要因によって引き起こされると考えられています。診察室では血圧が高いのに、自宅では正常という場合に、白衣高血圧が疑われます。
高齢者の病気について

高齢者施設でのVRE感染対策

VREは、バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin-Resistant Enterococcus)の略称です。 腸球菌は、健康な人の腸内にも commonly存在する細菌で、通常は病気を引き起こしません。しかし、バンコマイシンという抗生物質が効かない腸球菌が増加しており、これがVREと呼ばれています。 VREは、高齢者施設など、抵抗力が弱っている人が多く集まる場所で感染が広がりやすい傾向があります。
高齢者の病気について

パーキンソン病のサイン?「歯車現象」を知ろう

私たちは身体をスムーズに動かすために、脳からの指令を筋肉に伝えています。しかし、パーキンソン病になると、この指令系統に異常が生じ、スムーズな動きが困難になります。特に、動きがぎこちなくなったり、硬さを感じたりする症状は「歯車現象」と呼ばれ、パーキンソン病の代表的な運動症状の一つとして知られています。 この歯車現象は、関節を動かした際に、まるで歯車が引っかかるように、カクカクとした動きになってしまう状態を指します。これは、筋肉の緊張が異常に高まってしまうことによって起こると考えられています。 例えば、腕を曲げ伸ばしする際、スムーズに動かすことができず、途中で動きが止まってしまったり、カクカクとした動きになってしまったりするのが特徴です。 歯車現象は、パーキンソン病の初期症状として現れることもありますが、症状の進行に伴って現れる場合もあります。また、身体の片側だけに現れる場合や、両側に現れる場合など、症状の出方には個人差があります。
福祉用語について

介護の現場における発疹:種類と対応

- 発疹とは?介護が必要な高齢者に多い理由 発疹とは、皮膚に現れる様々な変化の総称で、赤み、ブツブツ、水ぶくれ、かゆみなど、その症状は多岐にわたります。健康な人でも発疹が出現することはありますが、加齢とともに皮膚のバリア機能が低下する高齢者は、特に発疹を起こしやすくなる傾向があります。 高齢者に発疹が多い理由としては、皮膚の老化以外にも、免疫力の低下、基礎疾患の影響、服用薬の副作用、栄養状態の悪化、寝たきりによる血行不良などが挙げられます。また、介護の現場では、オムツの使用による蒸れ、接触性皮膚炎、感染症の蔓延なども発疹のリスクを高める要因となります。
福祉用語について

知っておきたい介護用語『パウチ』

介護の現場でよく耳にする『パウチ』という言葉。 これは、食べ物をミキサーなどでペースト状にした後、元の見た目に戻す調理方法のことを指します。 例えば、ハンバーグをペースト状にしてからハンバーグの形に戻したり、イチゴをピューレ状にしてからイチゴの形に戻したりします。 見た目だけでなく、香りや舌触りも可能な限り再現することで、食べる喜びを感じてもらい、食欲や食事量の増加につなげることが目的です。
福祉用語について

自立度を測る!バーセルインデックス解説

「バーセルインデックス(Barthel Index)」とは、日常生活動作(ADL)の自立度を評価するための指標です。食事や入浴、更衣、トイレの使用、移動など、日常生活における基本的な動作がどの程度自力でできるかを評価し、数値化します。1965年にRehabilitation Assessment of the DisabledのBarthel Indexとして初めて発表され、その後も改訂が重ねられてきました。現在では、介護や医療の現場で、患者さんの状態把握やリハビリテーションの目標設定、効果判定などに広く活用されています。
在宅の介護について

バリアフリー住宅で快適な暮らしを実現

「バリアフリー住宅」とは、高齢者や障害者を含む、あらゆる人が安全で快適に暮らせるように配慮された住宅のことです。 段差をなくしたり、廊下や doorways を広くしたりするなど、移動のしやすさを追求した設計が特徴です。 また、手すりや滑り止めなど、安全性を高める工夫も凝らされています。 バリアフリー住宅は、身体的な負担を軽減するだけでなく、精神的な安心感も与えてくれるため、近年注目を集めています。
認知症について

介護における「徘徊」:その背景と対応について

「徘徊」という言葉は、しばしば高齢者や認知症の方に見られる行動と結びつけられます。しかし、「徘徊」とは単に目的もなく歩き回る行動を指すのではありません。 徘徊には、本人に自覚のないまま、何らかの目的や必要性があって行われている場合も多いのです。例えば、トイレに行きたい、何かを探している、過去の記憶に基づいて自宅に帰ろうとしているなど、様々な理由が考えられます。重要なのは、「徘徊」を問題行動として捉えるのではなく、その背景にある思いや原因を理解しようと努めることです。
福祉用語について

介護現場のバイオハザード:知っておきたいリスクと対策

介護現場におけるバイオハザードとは、細菌、ウイルス、真菌などの微生物によって引き起こされる感染症のリスクを指します。高齢者や基礎疾患を持つ方が多い介護施設では、免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすく、重症化するリスクも高まります。また、介護職員も感染源となる可能性があり、施設内での感染拡大は深刻な問題となります。
福祉用語について

高齢者の「発達課題」とは?介護で支える心の変化

人は皆、年齢を重ねるごとに、その人生ステージに応じた課題に直面します。幼児期には自立へ向けて歩いたり言葉を話したりするように、高齢期にもまた、乗り越えるべき「発達課題」が存在します。 高齢期の大きな課題の一つに「自己整合性」の確立が挙げられます。これは、これまで歩んできた道のり、積み重ねてきた経験、そして変化していく自身の心や身体を包括的に捉え、「自分の人生はこれでよかった」と肯定的に受け入れることを意味します。 しかし、加齢に伴い体力は衰え、社会的な役割は減少し、大切な人との別れも経験します。こうした喪失体験は、時に自己肯定感を揺るがし、「一体自分はこれまで何をしてきたのか」「これからどう生きていけばいいのか」という問いを生み出すきっかけになりえます。 「発達課題」は、決して一人で抱え込むべきものではありません。家族や介護者、医療従事者など周囲の人々は、高齢者が自身のこれまでの人生を振り返り、肯定的に捉え直せるよう、寄り添い、支えていく必要があります。それは、残された時間を穏やかに、そして自分らしく生きていくための大切なサポートとなるのです。
福祉用語について

介護の現場における「発赤」:見逃せないサインを見つける

「発赤」は、皮膚が赤くなることを指し、介護の現場において頻繁に遭遇する症状です。これは、体の表面に近い毛細血管が拡張し、血流量が増加することで起こります。多くの場合、発赤自体は病気ではありませんが、褥瘡(じょくそう)や感染症など、注意が必要な症状の初期サインである可能性があります。そのため、介護現場において発赤を正しく理解し、適切に対応することは非常に重要です。
高齢者の病気について

介護と向き合う:肺気腫の基礎知識

肺気腫は、呼吸の際に重要な役割を果たす肺の末梢にある小さな空気の袋である肺胞が破壊され、弾力性を失ってしまう病気です。 呼吸をするたびに肺胞は膨らんだり縮んだりしますが、肺気腫になるとこの機能が損なわれ、十分な酸素を取り込むことができなくなります。 息切れや呼吸困難などの症状が現れ、日常生活に支障をきたす場合もあります。進行すると、安静時にも息苦しさを感じるようになり、介護が必要となるケースも少なくありません。