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福祉用語について

介護の質を高める「生活の質」という考え方

「生活の質(QOL)」とは、人がどれだけ人間らしい、自分らしい充実した生活を送れているかを表す言葉です。介護の場面では、要介護者が身体的なケアを受けるだけでなく、その人らしく生きがいを感じながら毎日を過ごせるかどうかが重要視されます。これは、単に身体機能を維持する医療モデルの介護ではなく、個人の尊厳を尊重し、可能な限り自立を支援するという考え方に基づいています。
高齢者の健康のために

高齢者の健康のバロメーター?舌苔の正体とケア方法

舌苔とは、舌の表面に付着する白いまたは黄ばんだ苔状のものを指します。誰でも多少は付着しているもので、食べ物のカスや口の中の細菌、剥がれ落ちた粘膜などが唾液の分泌や舌の運動によって自然と除去されます。しかし、加齢や健康状態、生活習慣などの要因によって、舌苔が厚くなったり、色が濃くなったりすることがあります。このような状態は、単に口の中の問題だけでなく、全身の健康状態と密接に関係している可能性があります。特に、高齢者は唾液の分泌量が減少しがちなため、舌苔が溜まりやすく、注意が必要です。
福祉用語について

介護の裏技!『扇子折り』でスムーズなシーツ交換

ベッドメイキングは介護の現場において日常的な作業ですが、体力を使う作業の一つでもあります。特に、寝たきりの方のシーツ交換は、身体を支えながらの作業になるため、負担が大きくなってしまいがちです。 そこで今回は、そんなシーツ交換を少しでも楽にする裏技「扇子折り」をご紹介します。「扇子折り」とは、シーツを折りたたみ、まるで扇子のようにして扱うことから名付けられました。 この方法を習得すれば、身体への負担を軽減するだけでなく、作業効率もアップ!ぜひ、今回の記事を参考にして、日々の介護業務に役立ててみてください。
高齢者の病気について

介護の現場における喘息への対応

喘息は、発作的に息苦しさや咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)を繰り返す病気です。高齢者においても、喘息は決して珍しい病気ではありません。介護の現場では、喘息の症状、発作時の対応、日頃のケアについて正しい知識を持つことが重要です。 喘息は、気管支と呼ばれる空気の通り道が炎症を起こし、狭くなることで発作が起こります。主な原因としては、ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛など、アレルギー反応を引き起こす物質が挙げられます。また、タバコの煙や排気ガス、風邪などの感染症、気候の変化、運動なども発作の誘因となります。 介護者は、利用者さんの喘息の症状や発作の誘因を把握しておくことが大切です。普段から利用者さんの様子をよく観察し、少しでも異変を感じたら、速やかに医療機関との連携を取りましょう。
福祉用語について

介護の専門職『精神保健福祉士』の役割とは?

精神保健福祉士は、精神疾患を抱える方やその家族、地域住民に対して、社会福祉の専門職として、相談援助、社会復帰支援、社会生活支援などを行う国家資格です。医療、福祉、教育、司法など、さまざまな分野と連携し、利用者の社会参加と生活の質の向上を目指します。
福祉用語について

介護と赤血球:知っておきたい関係性

私たちの体内を流れる血液中には、たくさんの赤血球が存在しています。 赤血球は、酸素を全身に運ぶ役割を担っています。 肺から取り込まれた酸素と結びつき、体の隅々まで酸素を届け、同時に不要な二酸化炭素を回収して肺に戻すという、非常に重要な働きをしています。 この 赤血球の働きが弱ってしまうと、体全体に十分な酸素が行き渡らなくなり、様々な不調が現れます。 動悸や息切れ、疲れやすくなるといった症状が現れ、日常生活にも支障をきたす可能性があります。 介護が必要となる高齢者の方にとって、赤血球の働きは健康維持に直結すると言えるでしょう。
福祉用語について

介護の基礎知識: 全社協ってなに?

介護保険制度において、全社協(全国社会福祉協議会)は重要な役割を担っています。では、具体的にどのような関わりを持っているのでしょうか? 全社協は、介護従事者の資格取得を支援する研修の実施や、介護サービスの質向上のための調査研究などを行っています。また、介護に関する相談窓口を設け、国民からの相談対応や情報提供なども行っています。 つまり、全社協は介護保険制度の円滑な運営と国民が安心して質の高い介護サービスを受けられるよう、様々な形で貢献していると言えるでしょう。
高齢者の健康のために

介護の現場における接触感染対策

- 接触感染とは?その経路とリスク 介護の現場において、感染症対策は非常に重要です。中でも、接触感染は日常的に起こりうる感染経路であるため、正しい知識と予防策を徹底することが大切です。 接触感染とは、感染者との直接的な接触、または汚染された環境を介して病原体が体内に侵入することを指します。 -# 接触感染の主な経路 * -直接接触- 感染者と直接触れること。例えば、握手、抱擁、患部への接触など。 * -間接接触- 汚染された物に触れること。例えば、ドアノブ、手すり、共有の物品、衣服、寝具など。 -# 介護現場における接触感染のリスク 介護の現場では、利用者と介護職員の距離が近く、身体接触を伴うケアも多いことから、接触感染のリスクが特に高くなります。 * 利用者と介護職員間の接触 * 介護職員同士の接触 * 共有物品の使用 * 環境表面の汚染 高齢者や基礎疾患を持つ利用者は、免疫力が低下していることが多く、感染症にかかりやすく、重症化しやすいという点も、介護現場における接触感染対策の重要性をさらに高めています。 次のセクションでは、具体的な接触感染対策について詳しく解説していきます。
高齢者の病気について

介護と生活習慣病:予防と対策

生活習慣病は、日々の生活習慣の積み重ねによって発症する病気であり、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などが代表的なものです。これらの病気は、加齢とともに発症リスクが高まるだけでなく、介護が必要となる原因にもなりえます。 例えば、脳卒中は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が大きく関与しており、要介護状態となるリスクが高い病気の一つです。また、糖尿病は、神経障害や動脈硬化などを引き起こし、歩行困難や認知症のリスクを高める可能性があります。 さらに、生活習慣病によって身体機能が低下すると、日常生活での活動量が減り、筋力の低下や体力 저하につながります。その結果、転倒や骨折のリスクが高まり、介護が必要となるケースも少なくありません。 このように、生活習慣病は、介護が必要となるリスクを高めるだけでなく、介護の期間や負担を増加させる要因にもなりえます。健康寿命を延ばし、介護を予防するためにも、生活習慣病の予防と早期対策が重要と言えるでしょう。
福祉用語について

介護の基礎知識:脊柱の役割と構造

脊柱とは、一般的に背骨と呼ばれる体の軸となる部分です。首から腰までを繋いでおり、体を支えたり、姿勢を保つ役割を担っています。さらに、脊髄という神経の通り道でもあり、脳からの指令を体全体に伝達する、非常に重要な役割を担っています。
福祉用語について

知って得する!全老連の活動内容

全国老人クラブ連合会(全老連)は、高齢者が主体的に参加し、健康で豊かな生活を送ることを目的とした全国組織です。1980年に設立され、現在では約400万人の会員が所属しています。地域に根差した活動を展開し、高齢者の生活向上や社会参加を支援しています。
介護に関する制度について

介護と生活保護:知っておきたい支援制度

生活保護制度とは、病気、障害、高齢などの理由で、生活に困窮する人に対して、国が最低限度の生活を保障し、一日も早く自立できるように支援する制度です。 収入が少なく生活が困難な場合、または貯蓄や資産などを活用しても生活が難しい場合に、申請を検討することができます。 生活保護は、生活費、医療費、住宅費、教育費など、生活に必要な費用を幅広くカバーしています。 個々の状況に応じて必要な扶助が決定され、福祉事務所のケースワーカーが相談に乗りながら、自立に向けた支援を行います。
高齢者の病気について

介護の基礎知識:生活不活発病を防ぐために

「生活不活発病」って、あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。 簡単に言うと、運動不足によって体力が低下し、様々な病気にかかりやすくなってしまう状態のことを指します。高齢になると、どうしても活動量が減ってしまいがちですが、 家にこもりがちな生活を続けていると、体力や筋力の低下だけでなく、認知機能の低下や、心疾患、糖尿病などのリスクも高まってしまうのです。
福祉用語について

介護の基礎知識:脊髄損傷とは?

脊髄損傷とは、外部からの強い衝撃などによって脊髄が傷つくことを指します。交通事故や転落事故、スポーツ中の事故などが原因で起こることが多く、損傷を受けた部位より下の感覚や運動機能が麻痺するなどの症状が現れます。脊髄は、脳からの指令を体の各部に伝える役割を担っているため、損傷の程度や部位によって症状は大きく異なります。そのため、介護の現場においても、脊髄損傷の方一人ひとりの状態を理解し、適切なケアを提供することが重要です。
福祉用語について

介護の基礎知識:蠕動運動とその重要性

「蠕動(ぜんどう)運動」って、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。でも、私たちが毎日食事を摂り、栄養を吸収し、そして不要なものを体外へ排出できるのは、この蠕動運動のおかげなんです。 簡単に言うと、蠕動運動は、食道から腸にかけて起こる、食べ物を運ぶための筋肉の収縮運動のこと。まるでミミズが体をくねらせて進むように、消化管が波打つように動いて、食べ物を先へと送り出しているんです。
高齢者の病気について

知っておきたい認知症「正常圧水頭症」

正常圧水頭症は、脳脊髄液の循環が悪くなることで脳室が拡大し、認知症の症状を引き起こす病気です。アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症と並んで、三大認知症の一つに数えられます。 脳脊髄液は通常、脳内を循環した後、血液中に吸収されますが、何らかの原因でこの循環が滞ると、脳室に過剰に溜まり、脳が圧迫されます。その結果、認知機能障害、歩行障害、尿失禁といった症状が現れます。 正常圧水頭症は、脳腫瘍や脳出血などが原因で起こる水頭症とは異なり、脳圧が正常範囲内であることが特徴です。そのため、診断が難しく、見過ごされるケースも少なくありません。
福祉用語について

介護現場における精神安定剤:理解と適切な対応

精神安定剤は、不安や緊張、興奮といった精神的な症状を和らげ、穏やかな状態に導くための薬です。 主に不安障害やうつ病、不眠症などの治療に使われますが、介護現場では、認知症の周辺症状(BPSD)に対する対応として使用されることもあります。 具体的には、興奮や攻撃性、幻覚、妄想といった症状を抑制し、介護する側とされる側の双方にとって安全で穏やかな環境を作ることを目的としています。
福祉用語について

楽に呼吸!セミファーラー位のすすめ

セミファーラー位とは、ヨガの代表的な座位の一つで、サンスクリット語で「半分の英雄のポーズ」という意味を持ちます。その名の通り、片足を軽く曲げてかかとをお尻に近づけ、もう片方の足は後ろに伸ばした姿勢のことです。一見シンプルな姿勢ですが、骨盤を立てて背筋を伸ばすことで、体幹を意識し、呼吸を深める効果が期待できます。
福祉用語について

介護保険と全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデス(SLE)は、体の多くの臓器に炎症を引き起こす自己免疫疾患です。自己免疫疾患とは、本来、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫システムが、自分の体の一部を攻撃してしまう病気です。SLEは、皮膚、関節、腎臓、心臓、肺、神経など、体の様々な部分を攻撃する可能性があります。 SLEの症状は人によって大きく異なり、発熱、倦怠感、関節痛、顔面紅斑、脱毛など、風邪や他の病気と間違えやすい症状が出ることもあります。また、症状が突然現れたり消えたりすることも多く、診断が難しい病気としても知られています。 SLEは、今のところ完全に治す方法はありませんが、適切な治療と生活管理によって、症状をコントロールし、日常生活を送ることは十分可能です。SLEと診断された場合は、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。
福祉用語について

生活相談員ってどんな仕事?介護の現場を支える役割を紹介

高齢化が進む現代社会において、介護施設は欠かせない存在となっています。そして、その介護施設で利用者と施設、そしてその家族を繋ぐ重要な役割を担っているのが生活相談員です。 生活相談員は、介護職員とは異なる視点から利用者の生活をサポートし、施設全体が円滑に運営されるように尽力しています。具体的には、どんなことを行っているのでしょうか?
高齢者の健康のために

介護に役立つセルフケア入門

- セルフケアとは?介護における重要性 「セルフケア」とは、心身の健康を保つための自主的な取り組みのことを指します。自分の身体や心の状態に気を配り、必要に応じて休息やリフレッシュを行うことは、日常生活を円滑に送る上で非常に重要です。 特に、介護は肉体的にも精神的にも負担の大きいものです。介護疲れによって体調を崩したり、気持ちに余裕がなくなってしまうと、質の高い介護を継続することが難しくなる可能性もあります。 介護者自身の心身の健康を維持することは、結果として質の高い介護の提供、そして介護者と要介護者のより良い関係構築に繋がります。このセクションでは、具体的なセルフケアの方法や、介護現場で取り入れられる実践的なテクニックを紹介します。
介護に関する制度について

知っておきたい!全世代型社会保障の基礎

少子高齢化が進む日本では、これまで通りの社会保障制度を維持することが難しくなってきています。そこで、将来にわたって社会保障制度を支え、全ての世代が安心して暮らせる社会を実現するために、「全世代型社会保障」への転換が求められています。 これは、従来の世代間扶養を前提とした仕組みを見直し、年齢に関係なく、全ての人が社会の構成員として互いに支え合うシステムを構築することを目指しています。具体的には、高齢者だけでなく、若者や子育て世代への支援を強化することで、現役世代の負担を軽減し、将来の社会保障の担い手を増やすことを目指しています。
福祉用語について

介護における『前腕』の理解

- 前腕の役割と重要性 介護の現場において、利用者さんの身体を支えたり、動かしたりする際、介護職員自身の身体の使い方は非常に重要です。その中でも、前腕は大きな力を発揮する部位として特に注目すべきです。 前腕は、肘関節から手首までの部分を指し、2本の骨(橈骨と尺骨)と多数の筋肉で構成されています。この複雑な構造により、前腕は力強い動作から繊細な動作まで、幅広い動きを可能にしています。 例えば、利用者さんの体重を支える際、前腕を適切に使うことで、手首や指への負担を軽減することができます。また、食事や着替えの介助など、繊細な動作が必要な場合にも、前腕の筋肉を意識することで、よりスムーズで安全な介護を実現できます。
福祉用語について

前期高齢者とは?:介護予防の重要性

近年よく耳にする「前期高齢者」という言葉。高齢者の区分を表す言葉ですが、具体的に何歳からを指すのか、後期高齢者と何が違うのか、ご存知でしょうか。 まず、前期高齢者とは65歳から74歳までの期間を指します。そして75歳以上を後期高齢者と呼びます。この区分は、2000年に施行された介護保険法によって定められました。 では、なぜこのような区分が必要なのでしょうか?それは、高齢者の状態は年齢によって大きく異なり、必要な介護や支援の内容も異なるからです。例えば、60代後半でも元気に仕事や趣味を楽しむ方もいれば、70代になっても介護が必要となる方もいます。 そこで、年齢による大まかな区分を設けることで、それぞれの状況に合わせた適切なサービスや支援を提供しやすくなるのです。特に、前期高齢者の期間は、後期高齢者になる前に健康を維持し、介護が必要となるリスクを減らすための「介護予防」が重要となります。