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福祉用語について

介護施設における集団感染を防ぐために

高齢者が多く、免疫力が低下している方が多い介護施設において、感染症の集団発生は大きな脅威となります。まずは、集団感染とは何か、基本的な知識を分かりやすく押さえておきましょう。 集団感染とは、ある一定の期間内に、特定の施設や集団の中で、同じ病原体による感染症が、通常よりも多くの発生が見られる状態を指します。これは、施設内で感染者が発生した場合、その方と接触する機会が多い他の利用者や職員へと、感染が広がりやすいという介護施設の特徴が大きく関係しています。
福祉用語について

介護ですぐに役立つ!上腕の基礎知識

「上腕」と聞いて、すぐに体の部位をイメージできますか?実は、日常生活で「上腕」という言葉を使うことはあまり多くありません。そのため、「腕」や「二の腕」と混同してしまう方もいるかもしれません。 この記事では、介護をする上で知っておきたい「上腕」の基礎知識について解説していきます。解剖学的な視点も交えながら、「上腕」の位置や役割を分かりやすく説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
福祉用語について

介護現場の重要テーマ:身体拘束とは?

- 身体拘束の定義とその背景 介護現場において、「身体拘束」は常に議論の的となる重要なテーマです。高齢化社会の進展に伴い、介護施設の利用者数が増加する一方で、介護職員不足は深刻化しています。このような状況下で、身体拘束は、安全確保や業務負担軽減といった目的で行われることがあります。しかし、身体拘束は利用者の尊厳を損ない、身体機能の低下や精神的な苦痛を与える可能性も孕んでいます。 身体拘束とは、利用者の行動を制限することを目的として、その同意を得ずに身体の自由を奪う行為を指します。具体的には、ベッドに身体を縛り付ける、車椅子に固定する、薬物を用いて動きを抑制するといった行為が挙げられます。近年では、身体拘束の定義は広義に解釈される傾向があり、テーブルを固定する、部屋から出られないようにするといった行動制限も含まれる場合があります。 身体拘束が行われる背景には、様々な要因が考えられます。例えば、人手不足の深刻化により、介護職員が一人で複数人の利用者に対応せざるを得ない状況下では、転倒や自傷行為を防ぐために身体拘束を選択してしまうことがあります。また、認知症の症状によって、利用者が危険な行動を繰り返してしまう場合も、安全確保のために身体拘束が行われることがあります。 身体拘束は、決して安易に行われるべき行為ではありません。利用者の尊厳と権利を守りながら、安全で安心できる介護環境を実現するためには、身体拘束の背景にある問題を理解し、適切な対応策を講じていくことが重要です。
介護施設の種類について

住宅型有料老人ホームとは?その特徴とメリット

住宅型有料老人ホームは、介護が必要になっても、できる限り自立した生活を送りたいと考える高齢者のための住まいです。 一般的な賃貸住宅と同様に、居室があり、キッチンやトイレ、浴室などの設備も整っています。 各入居者は、プライバシーが守られた自身の空間で、自分のペースで生活を送ることができます。 食事や掃除などのサービスが付いている場合もあり、入居者の状況に合わせて自由に選択できます。
高齢者の病気について

介護と腫瘍マーカー:知っておきたいこと

腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す特殊な物質のことです。血液や尿、組織などの中にごく微量ながら存在し、これらの量を測定することで、がんの有無や種類、進行度などを推測することができます。ただし、腫瘍マーカーは全てのがん患者さんに必ず現れるわけではなく、がん以外の病気でも数値が上昇することがあります。そのため、診断の確定には、腫瘍マーカー検査の結果だけでなく、画像検査や病理検査の結果も合わせて総合的に判断する必要があります。
福祉用語について

介護の質向上へ!事業評価の重要性

高齢化が急速に進む中、質の高い介護サービスへの需要はますます高まっています。利用者の方々に安心と満足を提供するためには、介護事業者自身がサービスの質を常に評価し、改善していくことが不可欠です。介護における事業評価とは、サービスの質を向上させるための重要な取り組みと言えます。 具体的には、事業者が自ら提供する介護サービスの内容、プロセス、結果について、一定の基準に基づいて評価を行います。これにより、現状における課題や改善点を明確化し、より効果的かつ効率的なサービス提供体制を構築することが可能になります。
福祉用語について

知っていますか?身体障害者補助犬のこと

身体障害者補助犬とは、身体に障がいのある方の日常生活をサポートする、特別な訓練を受けた犬たちのことです。盲導犬はよく知られていますが、耳の聞こえない方をサポートする聴導犬、車いすの方をサポートする介助犬など、さまざまな種類があります。補助犬は、人のパートナーとして、また社会の一員として、大切な役割を担っています。
介護サービスについて

介護保険で安心リフォーム!住宅改修費を徹底解説

介護保険制度には、高齢者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けられるよう、住宅改修費用の一部を補助する「住宅改修費」という制度があります。住宅改修費を利用することで、手すりの設置や段差解消など、介護に必要な住宅改修にかかる費用の一部が負担されます。 この制度の目的は、高齢者が安全かつ快適に自宅で生活できる環境を整え、自立した生活を支援することにあります。介護が必要となった場合でも、住み慣れた環境で生活を続けることは、高齢者の精神的な安定にも繋がると考えられています。 住宅改修費の対象となる方は、介護保険の要支援・要介護認定を受けている方です。要介護度が高いほど、利用限度額も高くなる仕組みとなっています。ただし、住宅改修を行う前に、必ずケアマネジャーに相談し、事前に市区町村への申請が必要です。
福祉用語について

介護の基礎知識:心拍数とは?

心拍数とは、心臓が1分間に拍動する回数のことで、単位はbpm(beats per minute)で表されます。心臓は、全身に血液を送るポンプのような役割を果たしており、心拍数は、そのポンプが1分間に何回動いているかを表していると言えるでしょう。 健康な人の安静時の心拍数は、一般的に60~80bpm程度とされています。しかし、年齢、性別、体調、運動習慣、ストレスなどによって個人差があります。また、睡眠中やリラックスしているときは心拍数は低下し、運動時や興奮しているときは上昇します。
福祉用語について

介護とPTSD:知っておきたいこと

介護の現場は、時に過酷な状況が連続することもあり、そこで働く人々の精神的な健康状態が懸念されています。実際に、介護職は他の職業に比べてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するリスクが高いという調査結果も出ています。 介護現場でPTSDを発症する原因としては、慢性的な人手不足による過重労働や、利用者さんの死に直面する、暴言や暴力といったハラスメントを受けるなど、様々な要因が考えられます。 PTSDは、不眠や悪夢、不安感、イライラしやすくなる、集中力の低下といった症状を引き起こし、日常生活や仕事に大きな支障をきたす可能性があります。 介護職は、人の命と生活を支える尊い仕事です。しかし、その一方で、精神的な負担が大きいという現実も認識し、介護職の心のケアにも目を向ける必要があるでしょう。
高齢者の病気について

人工関節置換術とは?手術からリハビリまで

人工関節置換術とは、変形性関節症などの疾患によって損傷し、痛みや動きの制限を引き起こしている関節を、人工関節に置き換える手術です。 具体的には、損傷した関節の表面を切除し、金属、セラミック、または高分子ポリエチレンなどの耐久性の高い素材で作られた人工関節を挿入します。 これにより、痛みの軽減、関節の動きの改善、歩行能力の向上など、日常生活の活動レベルの向上が期待できます。 人工関節置換術は、股関節や膝関節などの関節で行われることが一般的です。近年では、肩関節、肘関節、足関節、手指の関節などにも適用範囲が広がっています。
認知症について

介護の基礎知識:失見当識を理解する

失見当識とは、時間、場所、または人物に関する見当識(自分が置かれている状況を正しく認識すること)が困難になる状態を指します。 これは、認知症の症状の一つとしてよく見られます。 例えば、今日が何月何日か分からなくなったり、自分がどこにいるのか分からなくなったり、家族や介護者を誰だか分からなくなったりすることがあります。このような状況は、本人に大きな不安や混乱を与えるだけでなく、介護者にとっても対応が難しい場合があります。
介護に関する制度について

介護と社会保険方式:仕組みと未来

日本では、誰もが歳を重ねても安心して暮らせる社会を目指し、介護保険制度が2000年から導入されました。これは、加齢に伴い増加する介護の必要性に対して、社会全体で支え合うという理念に基づいています。 では、具体的にどのように支え合っているのでしょうか?その仕組みが「社会保険方式」です。これは、40歳以上の人が保険料を支払うことで、介護が必要になった際にサービスを低価格で利用できるというものです。 この社会保険方式は、現役世代が高齢者を支えるという側面だけでなく、将来、自分が介護を必要とする立場になった際に備えるという側面も持っています。 このように、日本の介護保険制度は社会保険方式によって成り立っており、国民一人ひとりが安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
福祉用語について

命に関わる!?介護現場の『ショック』を理解する

介護の現場では、利用者様の状態が急変することがあります。そして、その中には命に関わるような深刻な事態も含まれます。医療現場で使われる「ショック」という言葉は、心臓や血管などの循環器系が機能不全に陥り、全身の組織に必要な酸素が供給されなくなる状態を指します。これは、意識障害や呼吸困難、冷汗、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる)などの症状を伴い、迅速な対応が求められます。 介護現場における「ショック」は、こうした医学的な状態だけでなく、利用者様やそのご家族にとって、精神的な衝撃や動揺が大きい出来事も指します。例えば、急な体調の変化や転倒による骨折、認知症の進行による混乱、大切な方の死などが挙げられます。これらの出来事は、利用者様の生活や人生観に大きな影響を与える可能性があり、介護職員は、身体的なケアだけでなく、精神的なケアにも細やかに気を配る必要があります。
介護に関する制度について

高齢者の自立を支援:新オレンジプランとは?

近年、高齢化が急速に進む日本では、高齢者が住み慣れた地域で、尊厳を保ちながら自立して生活できる社会の実現が重要な課題となっています。 そのために、2024年度から「新オレンジプラン」がスタートしました。 このプランは、2000年から取り組まれてきた「介護予防・日常生活支援総合事業(旧オレンジプラン)」を発展的に継承したもので、高齢者の心身の健康の維持、生活の質の向上、そして認知症への対応強化を柱としています。 本稿では、新オレンジプランの概要、特に認知症の方への支援について詳しく解説し、高齢者が安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みについて考えます。
福祉用語について

介護の「実施評価表」とは?役割と書き方を解説

介護現場において、利用者様一人ひとりに最適なケアを提供するために、実施評価表は非常に重要な役割を担っています。実施評価表とは、ケアプランに基づいて実際に提供したサービスの内容や、その後の利用者様の状態の変化などを記録し、評価するための dokument です。 この評価表を通して、現状のケアの課題や改善点を明確化し、より質の高い、そして利用者様に寄り添ったサービス提供へと繋げていくことが可能となります。
福祉用語について

知ってる?頼れる味方!『市町村保健センター』

『市町村保健センター』って聞いたことありますか? 実は、健康に関する様々な相談に乗ってくれる、私たちにとって身近な存在なんです。 病気の予防や健康診断、子育ての悩みなど、幅広い分野の相談に対応しているのが特徴です。 今回は、そんな頼れる味方である『市町村保健センター』について、詳しくご紹介していきます。
福祉用語について

介護現場での心臓マッサージ:基礎知識と注意点

心臓マッサージとは、心臓が停止した状態(心停止)になった人を対象に、胸を圧迫することで心臓のポンプ機能を代行し、血液を循環させるための応急処置です。 心臓マッサージの実施は、救命の可能性を高める上で非常に重要です。介護現場においても、心停止はいつ起こるかわからないため、正しい知識と技術を身につけておくことが大切です。
福祉用語について

介護の現場で理解を深めたい「失行」

「失行」という言葉は、介護の現場で働く方々にとって、一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、具体的にどのような状態を指すのか、詳しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。 「失行」とは、身体的な麻痺や運動機能の低下がないにもかかわらず、学習した動作や、目的とする動作をスムーズに行うことができなくなる状態を指します。例えば、箸を使って食事をしようとしても、うまく箸を持てなかったり、食べ物を口に運ぶ動作がぎこちなくなったりすることが挙げられます。 重要なのは、失行は単なる「できない」ではなく、「やり方が分からなくなる」という脳機能の障害であるという点です。そのため、頭ごなしに叱責したり、焦って急がせたりするとかえって混乱を招き、本人の自信を喪失させてしまう可能性があります。介護の現場において、失行への正しい理解と適切な対応は、利用者の尊厳を守り、自立を支援するために不可欠と言えるでしょう。
福祉用語について

知っておきたい!社会福祉事業団の基礎知識

社会福祉事業団とは、社会福祉法に基づいて設立された、社会福祉事業を行う非営利の法人です。 都道府県知事の認可を受けて設立され、社会福祉事業を安定的に運営していくために、国や地方自治体からの補助金や、 事業収入を得て運営されています。 具体的には、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉、低所得者世帯への支援など、幅広い分野の社会福祉事業を担っています。
高齢者の食事について

食事介護の基礎知識と重要性

食事介護とは、加齢や病気、障がいなどによって、自分で食事をとることが難しい方のサポートをすることを指します。具体的には、食事の準備、食事介助、口腔ケアなどを行います。食事は、単に栄養を摂取するだけでなく、生活の質や楽しみにも深く関わっているため、その人らしく、そして安全に食事ができるよう支援していくことが大切です。
福祉用語について

介護と自己決定権:尊重と支援のあり方

「自己決定権」とは、言葉の通り、自分で自分の人生を決められる権利のことです。これは、健康な人に限らず、要介護状態になった人にとっても等しく尊重されるべきものです。介護における自己決定権とは、どのような介護を受けたいか、どこでどのように暮らしたいかなどを、自分の意思で自由に選択できる権利を指します。 例えば、施設に入るか、自宅で介護を受けるか、リハビリの内容をどのようにするか、誰に手伝ってほしいかなど、介護に関するあらゆる場面で、本人の意思が尊重されることが重要です。
福祉用語について

介護現場の心電図入門

心電図は、心臓の活動によって生じる微弱な電気信号を波形として記録したものです。 この波形は、心臓の収縮と弛緩、つまり私たちの心臓が規則正しく拍動するために必要な電気的活動を反映しています。 介護の現場では、心電図モニターを通して利用者の心臓の状態を把握し、異常の早期発見や適切な対応に役立てます。 心電図は一見複雑な波形で構成されていますが、基本的な部分を理解することで、心臓の状態をある程度把握することができます。 例えば、P波と呼ばれる部分は心房の収縮、QRS波と呼ばれる部分は心室の収縮を示しています。これらの波形の間隔や高さ、形などを分析することで、不整脈や心筋梗塞などの心臓病の兆候をいち早く察知することができます。 介護職にとって、心電図の専門家である必要はありませんが、基本的な知識を身につけておくことは、利用者の安全を守る上で非常に重要です。 異常な波形に気づいた場合、すぐに医師や看護師に報告することで、適切な処置や治療につなげることができます。
福祉用語について

介護の現場で頼れる存在!准看護師の仕事内容とは?

准看護師は、医師や正看護師の指示のもと、医療行為の一部を担うことができる国家資格です。病院やクリニックだけでなく、介護施設でも活躍しています。 正看護師と比べて、資格取得までの期間が短いことが特徴です。そのため、比較的早く医療現場での経験を積むことができます。ただし、対応できる医療行為の範囲は正看護師よりも限られています。 准看護師は、医療現場の様々な場面で活躍できる、やりがいのある仕事です。