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福祉用語について

介護の現場で見られる多尿とは?

一般的に、尿量は1日あたり約1~1.5リットルとされています。しかし、体質や摂取した水分量によって個人差があります。 多尿とは、1日の尿量が2.5~3リットル以上になる状態を指します。 介護の現場では、高齢者の水分摂取量の増加や、体調変化による頻尿など、様々な要因で多尿が見られることがあります。
高齢者の健康のために

介護現場における大腸菌対策

大腸菌は、私たちのお腹の中に住んでいる細菌の一種です。ほとんどの大腸菌は無害で、むしろ健康を維持するために役立っています。しかし、中には食中毒の原因となる有害な大腸菌も存在します。このような大腸菌は、汚染された食品や水、または感染者との接触によって体内に侵入し、下痢や腹痛などの症状を引き起こします。特に、高齢者や免疫力が低下している人は重症化するリスクが高いため、注意が必要です。
福祉用語について

単身世帯の高齢者の増加と課題

単独世帯とは、一世帯に含まれる人数が1人の世帯のことを指します。つまり、一人暮らしをしている状態です。これは、配偶者や子供と同居していない状態を意味し、高齢者が単独世帯となる場合、その背景には、配偶者との死別や離婚、未婚など様々な事情が考えられます。
高齢者の病気について

介護と胆汁:その役割と注意点

胆汁は、肝臓で作られる黄褐色の液体です。 脂肪の消化吸収を助けるなど、重要な役割を担っています。食べ物が十二指腸に達すると、胆嚢から胆汁が分泌され、働きます。
介護に関する制度について

介護保険の基礎知識: 第1号保険料とは?

- 介護保険制度と第1号被保険者 日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。高齢化社会において、誰もが安心して医療や介護を受けられるようにと作られたのが介護保険制度です。 この制度では、40歳以上になると介護保険に加入することが義務付けられています。そして、40歳から64歳までの間は「第1号被保険者」、65歳以上は「第2号被保険者」と呼ばれます。 第1号被保険者は、将来の介護に必要な資金を積み立てるために保険料を納めます。これが「第1号保険料」です。一方、第2号被保険者は、すでに積み立てられた保険料をもとに、介護サービスを受ける際に費用の一部を負担します。 つまり、第1号保険料は、将来自分自身が介護が必要になった時に備えるためのものであると同時に、高齢化社会全体を支えるための重要な役割を担っていると言えるでしょう。
福祉用語について

介護の基礎知識:体の仕組み「大循環」を理解しよう

介護は、日常生活を送る上で困難を抱える方のサポートをすることですが、その背景には、加齢や病気による体の変化が大きく関わっています。体の仕組みを理解することは、なぜそのようなサポートが必要なのか、どのような点に注意が必要なのかを深く理解することに繋がります。 例えば、加齢によって筋力が低下すると、歩行や移動が困難になるだけでなく、血液の循環が悪くなることがあります。これは、心臓から送り出された血液を全身に行き渡らせる「大循環」の力が弱まるためです。このような状態を理解した上で、適切な運動の介助や、体位変換などのケアを行うことで、利用者の健康維持や生活の質の向上に貢献することができます。
高齢者の病気について

多発性脳梗塞とは?症状と介護のポイント

- 多発性脳梗塞の原因と症状 多発性脳梗塞は、脳の複数の場所で小さな梗塞が繰り返し起こる病気です。 脳の血管が詰まり、その先の細胞に血液が行き渡らなくなることで、様々な神経症状が現れます。 なぜ血管が詰まってしまうのか、その原因は主に動脈硬化にあります。動脈硬化は、血管の壁にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなってしまう状態です。 症状は詰まった血管の位置や大きさによって異なり、手足の麻痺やしびれ、言語障害、視覚障害、めまい、ふらつき、歩行困難、嚥下障害などがみられます。 初期症状は一時的に現れてすぐに消える場合もあるため、見逃してしまうケースも少なくありません。しかし、放置すると認知機能の低下や寝たきり状態に進行する可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
高齢者の病気について

知って備える帯状疱疹:介護の現場から

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルスは、子供の頃に水ぼうそうを引き起こすウイルスと同じものです。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。そして、加齢や免疫力の低下などによってウイルスが再び活性化すると、帯状疱疹を発症します。 皮膚に赤い斑点と水ぶくれが現れ、ピリピリとした痛みやかゆみを伴うのが特徴です。帯状疱疹は、身体の左右どちらか一方に、帯状に症状が現れることが多いです。
高齢者の健康のために

介護現場の脅威「耐性菌」:正しく理解し、感染を防ぐ

高齢者施設や病院など、人が密集し、抵抗力が低下した方が多い介護現場では、いったん耐性菌が蔓延してしまうと、感染拡大を食い止めることが非常に困難です。 免疫力が低下している高齢者は、耐性菌に感染しやすく、重症化しやすいという特徴があります。また、介護現場では、職員を介しての感染拡大や、環境表面を介しての感染など、様々な経路で耐性菌が拡散していく可能性があります。 感染症の治療には抗菌薬が有効ですが、耐性菌はこれらの薬が効きにくいため、治療が難航し、最悪の場合、命に関わることもあります。そのため、介護現場における耐性菌対策は、利用者の安全を守る上で極めて重要です。
介護に関する制度について

介護サービスの質を見極める「第三者評価」とは?

介護を必要とする高齢者やその家族にとって、安心して質の高いサービスを選び抜くことは容易ではありません。そこで重要な役割を担うのが「第三者評価制度」です。 この制度は、介護サービスを提供する事業者自身ではなく、公平・中立な第三者機関が、それぞれのサービスの質を評価し、その結果を公表するものです。 利用者はこの評価結果を参考に、自分に合ったサービスを探すことができます。また、事業者は評価を通して自らのサービスの改善点を把握し、質の向上を目指すことができます。 第三者評価制度は、介護サービスの透明性を高め、利用者と事業者の双方にとってより良い介護環境を築くことを目的としています。
高齢者の病気について

介護と向き合う:大脳皮質基底核変性症とは?

大脳皮質基底核変性症は、運動症状と認知症状の両方が現れる神経難病です。 体の動きが徐々にぎこちなくなる、言葉がうまく話せなくなるといった運動症状に加え、物忘れや判断力の低下といった認知症状も現れます。この2つの症状が複雑に絡み合い、日常生活に大きな困難をもたらします。例えば、食事中に食べ物をこぼしてしまったり、服の着脱に戸惑ったりするようになる一方で、 なぜうまくできないのかを理解することが難しく、周囲とのコミュニケーションがうまくいかなくなることもあります。そのため、介護者の方は、患者さんの状況を理解し、それぞれの症状に合わせた適切なケアやサポートを提供することが重要になります。
福祉用語について

介護で知っておきたい『大転子』とは?

身体の構造を詳しく知らなくても、「大転子」という言葉は、介護の現場でよく耳にするのではないでしょうか? 大転子は、股関節の動きに大きく関わる、とても重要な部分です。 では、大転子は体のどこにあるのでしょうか? 立った状態で両手を腰に当ててみてください。手のひらで触れることができる、太ももの付け根の外側にある骨の出っ張りが、大転子です。 誰でも簡単に触ることができるので、確認してみてくださいね。
福祉用語について

寝たきり介護の負担軽減: 体位変換器の種類と選び方

寝たきりの方にとって、体位変換は健康維持と褥瘡(床ずれ)予防のために非常に重要です。しかし、介護者が毎回手動で行うのは大変な負担となります。そこで活躍するのが「体位変換器」です。 体位変換器とは、寝たきりの方の体位を定期的に変えることで、身体への負担を軽減するための介護用品です。 体位変換器を使うことで、介護者の身体的負担を軽減できるだけでなく、寝たきりになる方の体の痛みや不快感を和らげ、呼吸や血流を改善する効果も期待できます。また、褥瘡の発生リスクを減らす効果も期待できます。
高齢者の病気について

高齢者が注意したい『大腿骨頸部骨折』とは?

大腿骨は大腿部にある太い骨で、身体の中で最も大きな骨として知られています。この大腿骨の上部には、股関節とつながる大腿骨頸部と呼ばれる部分があります。大腿骨頸部骨折とは、この大腿骨頸部で起こる骨折のことを指します。高齢者の骨折の中でも特に多い部位であり、注意が必要です。
介護に関する制度について

介護保険の落とし穴?第2号被保険者とは

介護保険制度において、40歳から64歳までの方は「第2号被保険者」に分類されます。この年代の方は、まだ介護が必要になる年齢ではない、と思っていませんか?しかし、第2号被保険者は、病気や事故によって介護が必要になった場合に備えることが目的なのです。つまり、若い世代でも、病気や事故で介護が必要になる可能性は十分にある、ということを認識しておく必要があります。
介護に関する制度について

介護保険の基礎知識:第1号被保険者とは?

日本の介護保険制度は、40歳以上の方全員が加入する社会保険制度です。これは、高齢化社会の進展に伴い、介護が必要となる方が増加することを踏まえ、国民全体で介護の費用を負担し支え合うことを目的としています。 この制度において、40歳から64歳までの方は「第1号被保険者」と呼ばれます。一方、65歳以上の方は「第2号被保険者」と呼ばれ、それぞれ加入の手続きや保険料の支払方法などが異なります。 第1号被保険者は、病気や事故などが原因で介護が必要になった場合に、介護保険サービスを利用することができます。これは、年齢を重ねるごとに病気や事故のリスクが高まることを考慮したものです。 このように、介護保険制度は、老後の不安を軽減し、安心して生活を送るために重要な役割を担っています。そして、第1号被保険者であるということは、自らが将来介護を受ける可能性があると同時に、制度を支える側でもあるということを意味しています。
福祉用語について

対麻痺とは?原因や症状、リハビリについて解説

「対麻痺」とは、両手両足に麻痺が生じる神経障害です。脳や脊髄などの中枢神経系が損傷を受けることで、脳からの運動や感覚の指令が手足にうまく伝わらなくなり、運動障害や感覚障害が現れます。 麻痺の程度は損傷の部位や程度によって異なり、軽度であればリハビリによって改善する可能性もありますが、重度の場合には日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
高齢者の病気について

高齢者の低栄養に注意!PEMって何?

近年、高齢者の間で増加傾向にあるのが『たんぱく質・エネルギー欠乏症』です。これは、略して『PEM』とも呼ばれ、健康を損なう原因の一つとして注目されています。 PEMは、その名の通り、たんぱく質とエネルギーが慢性的に不足することで起こります。高齢になると、食事量が減ったり、消化吸収機能が低下したりすることが原因で、必要な栄養素を十分に摂ることが難しくなる場合があります。 PEMは、免疫力の低下や筋力低下、骨折のリスク増加など、様々な体の不調につながることが知られています。また、感染症にかかりやすくなるなど、健康寿命を縮めることにもつながりかねません。 高齢者の皆さんはもちろん、周囲の方も、PEMについて正しく理解し、予防に努めることが大切です。
高齢者の病気について

介護と胆石:知っておきたいこと

胆石とは、胆のうや胆管にできる結石のことです。胆のうは肝臓の下に位置する小さな臓器で、胆汁を貯蔵する役割を担っています。胆汁は脂肪の消化を助ける液体ですが、コレステロールや胆汁酸などが結晶化することで、胆石が形成されます。
介護サービスについて

自宅で安心介護:宅老所のススメ

「自宅で最期まで過ごしたい」と願う高齢者の方は多くいらっしゃいます。しかし、自宅での介護には負担が伴うのも事実です。 そんな時、心強い味方となるのが「宅老所」です。宅老所とは、通いの介護サービスを提供する施設のこと。日帰りで施設に通いながら、食事や入浴、レクリエーションなどを楽しむことができます。 一方、特別養護老人ホームなどの介護施設は、利用者が施設に入居して生活する場所です。つまり、宅老所は自宅での生活を続けながら、必要な時に介護サービスを受けられるという点で、介護施設とは大きく異なるのです。
福祉用語について

多発性硬化症とは?症状と介護のポイント

多発性硬化症は、脳や脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、多様な神経症状を引き起こす病気です。中枢神経は、体を動かす、感じとる、考えるなど、さまざまな機能をコントロールする役割を担っています。 この病気の原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、自分の免疫システムが誤って自分の神経を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つと考えられています。発症には、遺伝的な要因と環境的な要因の両方が関わっていると考えられています。 症状は人によって異なり、症状が現れたり消えたりを繰り返すことがあります。主な症状としては、視力障害、しびれ、麻痺、歩行障害、言語障害、排尿障害などが挙げられます。症状が悪化していく場合もあれば、自然に回復する場合もあり、その経過はさまざまです。
高齢者の病気について

知っておきたい難病:多系統萎縮症の基礎知識

多系統萎縮症(MSA)は、脳のある特定の部位が徐々に萎縮していくことで、様々な神経症状が現れる指定難病の一つです。 運動失調、自律神経症状、パーキンソニズムの3つの症状を特徴的に併せ持つ進行性の神経変性疾患であり、国の難病に指定されています。有効な治療法は確立されておらず、病気の進行を遅らせることが現在の医療の目標となっています。
福祉用語について

介護の基本!脱健着患で負担軽減

「脱健着患」という言葉は、「脱衣」「健側」「着衣」「患側」の頭文字をとった言葉です。これは、介護の現場でよく使われる衣服の着脱に関するテクニックを表しています。具体的には、麻痺や怪我などで動かしにくい側(患側)ではなく、動かしやすい側(健側)から服を着せることを指します。 一見、簡単なことのように思えるかもしれませんが、この順番を守ることで、介護を受ける側の負担を大きく軽減することができます。また、介護する側も、スムーズに衣服の着脱を介助することができます。
福祉用語について

介護と代謝:知っておきたい体の仕組み

私たちが毎日元気に過ごすためには、食事から栄養を摂ることが欠かせません。では、口にした食べ物が、どのようにして体のエネルギーや細胞になるのでしょうか? その答えは、「代謝」にあります。 代謝とは、体内で起こる化学反応の総称を指します。食べ物を消化・吸収してエネルギーに変えたり、不要なものを排出したり、細胞を作り替えたりと、生命維持に欠かせない働きです。 代謝は大きく「同化」と「異化」の2つに分けられます。「同化」は、体を作るための反応です。食事から摂取した栄養素を元に、筋肉や骨、血液などを作り出します。一方、「異化」は、エネルギーを生み出すための反応です。摂取した栄養素を分解し、活動に必要なエネルギーを産生します。 この同化と異化のバランスが崩れると、様々な体の不調につながります。例えば、加齢に伴い代謝機能が低下すると、エネルギーが作られにくくなるため、疲れやすくなったり、体温が低くなったりします。また、使われなかったエネルギーは脂肪として蓄積されやすくなるため、肥満のリスクも高まります。 介護の現場においても、代謝の知識は重要です。高齢者の多くは代謝機能が低下しているため、食事内容や量、運動量などに注意が必要です。代謝を意識したケアを行うことで、高齢者の健康寿命を延ばすことに繋がるでしょう。