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福祉用語について

介護における「できる活動」とは?

介護の現場では、「その人が実際に何をしているか」だけでなく、「その人が本来持っている能力で何ができるのか」を見極めることが重要です。 私たちはつい、「食事をしている」「歩いている」といった目に見える「している活動」に目が行きがちです。しかし、本人にとっては、介助があれば「本当はもっと食べることができる」かもしれませんし、「歩行器を使えば、より長い距離を歩くことができる」かもしれません。 「している活動」だけを見てしまうと、その人の能力を過小評価してしまう可能性があります。介護者は、「その人が持っている能力を最大限に引き出し、自立を支援する」という視点を持つことが大切です。そのためには、「今、実際に何をしているか」ではなく、「どんなサポートがあれば、どこまでできるのか」という「できる活動」に着目する必要があります。
在宅の介護について

デイケアとは?:在宅介護を支えるリハビリサービス

デイケアは、介護を必要とする高齢者が日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などのサービスを受けることができる介護保険サービスです。在宅での生活を続けながら、心身機能の維持・向上や介護負担の軽減を目指すことを目的としています。 デイケアを利用することで、高齢者は他の利用者やスタッフとの交流を通して社会的な孤立感を解消したり、日常生活動作の訓練を受けることで自立した生活を維持したりすることができます。また、家族は介護から一時的に解放されるため、身体的・精神的負担を軽減し、仕事や家事との両立がしやすくなるというメリットがあります。
高齢者の病気について

介護現場におけるてんかんへの理解

てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮によって引き起こされる発作を繰り返す病気です。神経細胞の活動は、通常は脳内でコントロールされていますが、てんかんの人は、このコントロールがうまくいかず、発作が起こりやすくなっています。発作には、意識がなくなる、体が硬直する、けいれんする、ぼーっとするなど、様々な種類があります。発作の症状や程度は人によって異なり、中には発作に気づかない人もいます。 てんかんは、誰でも起こりうる病気です。生まれたときからてんかんの素因を持っている場合や、脳の病気やケガなどが原因で後天的に発症する場合があります。高齢者の場合、脳卒中や認知症などが原因で発症するケースも少なくありません。
認知症について

認知症でも大丈夫?手続き記憶と介護

「あれ?さっき財布どこに置いたっけ?」 と、もの忘れが多い認知症の方を介護されているご家族なら、このような経験は少なくないのではないでしょうか? 認知症になると、言葉で覚えられる記憶(エピソード記憶)は衰えていきますが、体で覚えている記憶(手続き記憶)は比較的長く保たれると言われています。 このページでは、手続き記憶の特徴や、介護にどのように活かせるか、具体的な例を交えて解説していきます。
高齢者の健康のために

低温やけどにご用心!介護の現場で注意すべきこと

低温やけどとは、体温よりも熱い40~50℃程度のものが長時間皮膚に触れることで、皮膚の奥深くまで損傷してしまうやけどのことです。一見、低温なので安全そうに思えますが、気づかないうちに重症化してしまうことが多く、注意が必要です。 高齢者や体の不自由な方、感覚が鈍くなっている方などは特に注意が必要です。なぜなら、熱さを感じにくく、長時間同じ姿勢でいることが多いため、知らず知らずのうちに低温やけどをしてしまうリスクが高いからです。
福祉用語について

介護現場の必需品!低水準消毒薬を使いこなそう

低水準消毒薬とは、細菌や真菌など、幅広い微生物を殺滅できる消毒薬です。ただし、芽胞と呼ばれる、一部の細菌が作る耐久性の高い状態のものに対しては効果がないため、「低水準」と呼ばれています。 介護現場では、床や家具、トイレ、入浴介助用品など、様々な場所の消毒に用いられています。 低水準消毒薬には、逆性石けん、塩化ベンザルコニウム、両性界面活性剤など、様々な種類があります。それぞれ特徴や使用上の注意点が異なるため、適切なものを選ぶことが重要です。
介護サービスについて

デイサービスとは?その種類やメリット・デメリットを解説

デイサービスとは、介護が必要な方が日帰りで施設に通い、食事や入浴などの介護サービスや、レクリエーション、機能訓練などを受けることができるサービスです。 似たようなサービスに「デイケア」がありますが、デイケアは医療機関が提供する医療保険適用のサービスを指します。 具体的には、リハビリテーションや医療行為を必要とする方が対象となります。 一方、デイサービスは介護保険法に基づく介護保険サービスの一つで、介護を必要とする方が、自宅での生活を続けながら、心身機能の維持や向上、ご家族の介護負担軽減を目指すことを目的としています。
福祉用語について

介護とディスポーザブル:その意義と課題

- ディスポーザブル製品とは? ディスポーザブル製品とは、使い捨てを前提として作られた製品のことを指します。Disposableは英語で「使い捨て可能な」という意味で、しばしば「使い捨て製品」「ディスポ製品」などと呼ばれることもあります。 私たちの身の回りには、紙コップや割り箸、紙皿など、一度使用したら廃棄されることを前提とした製品が多く存在します。このような製品は、洗って繰り返し使う手間を省き、衛生面でもメリットがあることから、広く普及しています。
高齢者の健康のために

介護現場における低血糖への対応

低血糖とは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が正常値よりも低くなった状態を指します。 ブドウ糖は、脳や体のエネルギー源として重要な役割を果たしており、不足すると様々な症状が現れます。 高齢者、特に糖尿病の治療を受けている方は低血糖のリスクが高いため、介護現場においては正しい知識と迅速な対応が求められます。
福祉用語について

介護を支える「テクノエイド」とは?

高齢化が進む現代社会において、介護の重要性はますます高まっています。同時に、介護現場における人手不足や負担の大きさが深刻化している現状も否めません。このような中、「テクノエイド」は、介護の質の向上と、介護従事者の負担軽減を目指し設立されました。テクノエイドは、これまで福祉の分野であまり活用されてこなかった、ロボット工学や情報通信技術といった先端技術を積極的に導入することで、これまでにない革新的な介護の実現を目指しています。高齢者が可能な限り自立した生活を送れるよう支援するとともに、介護従事者がより働きがいを感じられる環境づくりにも貢献していきます。
高齢者の病気について

高齢者の低体温:知っておきたい原因と対処法

- 低体温とは?高齢者がなりやすい理由 低体温症とは、体の深部体温が35℃以下に低下した状態を指します。健康な人であれば、体温は常に一定に保たれていますが、高齢者の場合、加齢に伴う身体機能の低下により、体温調節機能がうまく働かなくなり、低体温症を引き起こしやすくなります。 高齢者が低体温症になりやすい理由としては、 * -基礎代謝の低下- 年齢を重ねるにつれて、基礎代謝が低下し、体内で熱を作り出す力が弱まります。 * -皮下脂肪の減少- 皮下脂肪は断熱材のような役割を果たしますが、高齢になると皮下脂肪が減少し、外気温の影響を受けやすくなります。 * -自律神経の機能低下- 体温調節は自律神経によって行われますが、高齢になると自律神経の機能が低下し、体温調節がうまくいかなくなることがあります。 * -病気や medications の影響- ある種の病気や medications は、体温調節機能に影響を与える場合があります。 などが挙げられます。 高齢者は、特に屋内でも低体温症になるリスクが高いことを認識し、室温管理や服装の調整など、適切な予防策を講じることが重要です。
高齢者の健康のために

高齢者の低血圧:知っておきたい注意点

低血圧症とは、一般的に血圧が正常範囲よりも低い状態を指します。具体的な数値で言うと、診察室で測定した血圧が、上の血圧(収縮期血圧)100mmHg未満、下の血圧(拡張期血圧)60mmHg未満の場合に低血圧症と診断されることが多いです。しかし、高齢者の場合は、若い人に比べて血圧が低めでも、めまいやふらつきなどの症状が出ない場合もあるため注意が必要です。
福祉用語について

介護の現場で手荒れを防ぐには?

介護の現場では、手洗いや消毒、おむつ交換など、水仕事や薬剤に触れる機会が非常に多く、手荒れに悩む方が後を絶ちません。実際に、介護職は他の職業と比較しても手荒れを発症する割合が高く、その多くが「職業性皮膚疾患」として認められています。症状としては、乾燥による肌のカサつきやひび割れ、湿疹、かゆみなどが挙げられます。重症化すると、業務に支障が出てしまうだけでなく、日常生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
高齢者の食事について

高齢者の低栄養、そのリスクと対策とは?

近年、高齢者の間で「低栄養」が大きな問題となっています。低栄養とは、単に食事量が不足している状態ではなく、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足している状態を指します。 高齢者は加齢に伴い、食欲の低下や消化機能の衰えなどから、必要な栄養量を摂取することが難しくなりがちです。また、持病や服用している薬の影響で、栄養の吸収が悪くなったり、特定の栄養素が不足しやすくなることもあります。 低栄養は、免疫力の低下や筋力低下、骨粗鬆症などを引き起こし、感染症や転倒のリスクを高めるだけでなく、寝たきりや要介護状態になるリスクを高めるなど、健康寿命を縮める大きな要因の一つと言えるでしょう。
介護サービスについて

安心の介護: 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間体制で利用者の自宅を訪問し、必要なサービスを提供する介護保険サービスです。 定期的な訪問に加え、必要な時に随時対応してくれるため、一人暮らしの高齢者や、日中独居になる高齢者の方々に安心安全な暮らしを提供します。 従来の訪問介護とは異なり、訪問介護員と看護師が連携し、医療と介護の両面から手厚いサポートを受けられる点が特徴です。 サービス内容は、食事や排泄の介助、服薬管理、入浴介助、掃除や洗濯などの生活援助、健康状態の確認、緊急時の対応など、多岐にわたります。
福祉用語について

介護の現場から:摘便とは?

摘便とは、便秘などで自力で排便が困難な方のために、指を使って直腸内にある便を取り除く医療行為です。 排便は、人間の生理現象として自然に行われることが理想ですが、病気や怪我、加齢、服用している薬の影響などにより、自力で排便することが難しい場合があります。このような場合に、身体的・精神的な苦痛を和らげ、健康状態を維持するために摘便が必要となることがあります。