介護の基礎知識|ファーラー位とは?
介護について知りたい
先生、『ファーラー位』ってどんな体位のことですか?
介護の研究家
良い質問ですね。『ファーラー位』は、ベッドの頭側をどれくらい上げる体位か、分かりますか?
介護について知りたい
えっと、45度くらいですか?
介護の研究家
その通りです!仰臥位より45度頭側を上げた姿勢を『ファーラー位』と言います。では、ファーラー位のとき、褥瘡予防のために気を付けることは何でしょうか?
介護について知りたい
上半身がずり落ちないように、膝を曲げてクッションを入れる必要がありますよね!
介護の研究家
素晴らしいですね!その通りです。ファーラー位では、上半身がずり落ちないように注意することが大切です。よく覚えておきましょう。
ファーラー位とは。
介護の現場で使われる「ファーラー位」とは、ベッドの頭側を寝ている状態から45度上げる体位のことです。この姿勢は、上半身がベッドの下にずり落ちると床ずれの原因になるため、膝を曲げて、膝の下にクッションを入れることが大切です。ファーラー位は「半座位」とも呼ばれます。
ファーラー位とは?
ファーラー位とは、寝たきりの方の呼吸を楽にしたり、誤嚥を予防したりするためによく用いられる体位のことです。
頭を高くし、上半身を起こした状態にすることで、気道が開きやすくなり、呼吸が楽になるとされています。
また、胃の内容物が逆流しにくくなるため、誤嚥性肺炎のリスクを減らす効果も期待できます。
ファーラー位は、心臓や肺に負担がかかりにくいというメリットもあり、妊婦さんや高齢者の方にも安心して使える体位として知られています。
ファーラー位の目的と効果
ファーラー位は、寝たきりの方の呼吸を楽にしたり、誤嚥を予防したりすることを目的とした体位です。心臓より頭を高くした状態にすることで、重力の影響で胃の内容物が逆流しにくくなり、誤嚥性肺炎のリスクを減らす効果が期待できます。また、胸が開きやすくなるため、呼吸が楽になり、リラックス効果も期待できます。介護の現場では、食事の後や、呼吸が苦しそうな時に、ファーラー位にすることがあります。
ファーラー位の正しい作り方
ファーラー位を作る際、安全で楽な体位を保つことが大切です。手順は以下の通りです。
1. -ベッドの頭側の高さを調整します。-
2. -利用者を横向きに寝かせ、背中をベッドの端に近づけます。-
3. –利用者の体の下に敷くタオルやシーツは、あらかじめ肩甲骨あたりまで敷いておきます。–
4. -上になる側の腕は軽く曲げ、体側に添えます。-
5. -下になる側の腕は、肘を90度以上に曲げ、手のひらを上に向けます。-
6. -上になる側の足を、股関節と膝をそれぞれ90度に曲げ、下側の足の太腿あたりに乗せます。-
7. –体の下に敷いたタオルやシーツを、利用者の背中に巻き込むようにして支えます。–
8. -必要に応じて、枕やクッションで頭、腰、足を支えます。-
利用者の状態や体格に合わせて、体位を微調整することが重要です。
褥瘡予防におけるファーラー位の重要性
– 褥瘡予防におけるファーラー位の重要性
寝たきりの方にとって、褥瘡(床ずれ)は大きなリスクの一つです。
褥瘡は、長時間同じ体勢を続けることで、身体の一部に圧力がかかり続け、血行不良を起こすことで発生します。
ファーラー位は、この褥瘡のリスクを軽減するために有効な体位の一つです。
ファーラー位は、上半身を起こした状態で、ベッドに傾斜をつけることで、背中にかかる圧力を分散します。
また、胸を開いた状態にすることで呼吸がしやすくなるという利点もあります。
褥瘡は、一度できてしまうと治癒に時間がかかるだけでなく、痛みを伴い、生活の質を著しく低下させてしまいます。
ファーラー位を適切に活用することで、褥瘡のリスクを減らし、快適な療養生活を送れるようサポートしていきましょう。
ファーラー位に関する注意点
ファーラー位は、呼吸や体位変換を楽にするための体位ですが、いくつかの注意点があります。まず、長時間同じ体位を続けることで、褥瘡(床ずれ)のリスクが高まる可能性があります。定期的に体位変換を行い、皮膚への圧迫を軽減することが重要です。また、身体が傾斜しているため、ずり落ちを防ぐ必要があります。枕やクッションなどを使い、身体をしっかりと支えましょう。さらに、利用者の状態に合わせて、角度や高さを調整することも大切です。苦痛がないか、呼吸は楽かなど、常に状態を観察しながら、適切なケアを行いましょう。